爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「日本縦断徒歩の旅」石川文洋著

戦場カメラマンとしてベトナム戦争などの報道で活躍していた石川さんが65歳になった2003年に日本を縦断する徒歩の旅をすると決め、実行した記録です。
それは完全に徒歩と言うことにこだわり、バス電車等にも乗らずに(北海道本州間等は船は利用)すべて歩いて貫徹しています。一箇所だけ(熊本県佐敷)トンネルの中があまりにも危険であったためにバスを利用しましたが、それもすぐ翌日に戻って徒歩でやり直すと言う徹底した自己ルールで行われました。
その約5ヶ月の間の毎日の記録というものです。この行程は特に北陸、九州は自分でも馴染みのあるところですので、どのように書いてあるか興味深いものでした。
熊本では松橋に宿泊後翌日は日奈久温泉まで歩き、佐敷、水俣と歩いていきます。日奈久では著者が沖縄出身であるためか、戦時中に沖縄からの疎開の子供達が滞在したと言う旅館も訪れます。

しかし、徒歩旅行をするには日本の道路事情はなかなか厳しいものがあるようで、特に歩道の未設置区間が多いところや、あったとしても草刈などの整備がされず通れないところもあり、危険なところが多いようです。
自分もまあ歩くのは好きなほうですが、とても真似もできないというものでした。