爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

”賀茂川耕助のブログを読んで”No.1096 FTAAP構想公表の中国

今回の賀茂川耕助のブログhttp://kamogawakosuke.info/ 新着記事は先月のAPECので中国がFTAAPの構想を積極的に推進すると習近平主席が演説したというものです。

FTAAPとはアジア太平洋自由貿易圏構想というもので、以前にやはりAPECの会合で提唱されたもののそのまま棚上げになっていたものですが、中国を含まないTPPではほとんど世界経済から見た意味が薄いものなので、こちらの方が重用と言うのが賀茂川さんの見方のようです。
さらに、TPPはこのブログでも以前から批判的に見られていたように、交渉の当事者ですら内容を明らかにできないと言う秘密主義であり、さらに交渉項目のうち貿易に関するものはわずかでほとんどが企業の海外活動についてのものであるということで、アメリカの企業の自由な活動(金儲け)を保証するだけのものでしかないと言うことですが、FTAAPは貿易の協定であるということで、より目的が明確と言うことです。

今の世界はほぼ完全にアメリカ対中国の勢力争いということになってきている以上、中国側のさまざまな戦略というものが見えてくると言うことでしょう。ロシアも中国よりになればより一層その図式が大きな意味になります。
日本もアメリカの意のままに動くだけでは危険な状況にもなりかねないのかも知れません。

さて、このような大きな問題を含むこの事例ですが、まったく報道も見たことが無く、知りませんでした。APECの席で安倍が習主席とそっぽを向いて会談したとかいったどうでも良いようなことは報道されましたが、この事態を報道せずというのはどういうことでしょう。
FTAAPで検索してみるとニューズウィーク日本版やらWSJやらの記事は出てきますが、日本のマスコミの記事はほとんどないようです。すでに翼賛報道になってしまっているのでしょうか。

いや一つだけありました。産経新聞が「FTAAPで中国は墓穴を掘る」という、実に品のない記事が引っかかりました。

賀茂川耕助のブログ”は物の見方を教えてくれる貴重な場所だという認識ですが、それ以前に「何が起こっているか」という正確なところもここを見なければ分からないのかもしれません。