爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「世界地名の旅」蟻川明男著

高校の地理の先生と言う蟻川さんが世界各国の地名について研究されたものを記したものです。
あとがきにもあるように、現在の地名というのは国によっては数千年の歴史があるものもあり、その過程ではいくつもの民族が移り変わってきたところもあります。もはや語源も分からなくなっている地名も多いようで、さらに誤った語源解釈も相当存在するようになっています。
文献に地名の変遷などが残っているところはまだましですが、それすら明確でないところも多いようです。
それを一つ一つ研究してきたようで、詳しく見れば妥当ではない見解のところもあるかもしれませんが、かえって全体から見ることで比較的誤りの無いものになりうるのかも知れません。

それにしても、古代の優勢な勢力の言葉に由来する地名と言うのが多く、中東から中央アジアではペルシア語、中部から南部ヨーロッパではギリシア語に由来する地名と言うのは相当な量で、中央アジアで○○スタン、○○バアドというのは印象的ですが、どちらもペルシア語由来のようです。

その時々の都合で結構ぽんぽんと変えてしまうのは中国ですが、その意味では日本も負けていないようです。名称と言うものの意味が民族により大きく捉え方が違うと言うことも考えるべきでしょうか。