爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

健康食品?プエラリア・ミリフィカに健康被害

今週の「安心?!食べ物情報」には、健康食品として販売されている「プエラリア・ミリフィカ」に健康被害続出として、国民生活センターが注意喚起、消費者庁も措置命令を出したということが取り上げられていました。

 

プエラリア・ミリフィカとは、東南アジアのタイやミャンマーに自生する植物で、マメ科の葛(くず)に類縁のものということです。

その根に女性ホルモンに類似の物質を含むようで、それがバストアップに効果という謳い文句で売られているようですが、月経不順や不正出血といった婦人科特有の副作用の危害事例が多数起きているようです。

 

「安心?!食べ物情報」の渡辺さんも触れられているように、どうやらこれには本当に「薬効」がありそうです。

だからこそ、副作用も強いということなんでしょう。

きちんと、「薬品」として効果と副作用、毒性を検証し、使われるべきものです。(使えるとすれば)

健康食品などといって、いい加減な姿勢で販売するべきものではないでしょう。

 

なお、渡辺さんは、他の健康食品も対比させ、

健康食品一般について、効果もないものを売りつけているという
批判がありますが、私はいつも、効果がなくて、危険性もないのが
よい健康食品だと主張しています。

 そういう意味で「水素水」などは普通の価格で売られている限り、
理想的な健康食品なのです。

と書かれています。

毒にも薬にもならないのが健康食品、それを踏み外してしまったのがこの植物だったということです。

 

 

今週の記事には他にもこの時期には毎年のように繰り返される「小学校でのジャガイモ食中毒」の速報も書かれています。

学校で栽培したジャガイモを収穫し茹でて食べるのですが、ジャガイモの芽や青い皮に含まれる「ソラニン」で食中毒を起こすということを、教師が知らないまま子供たちに食べさせてしまうという事故が必ず毎年どこかで起きています。

これは毎年おなじみですね。いつになったら教員の間でソラニン
の危険性が共有されるようになるのでしょうか。

 学校の先生がものを知らないことには定評があるので、上から情
報を強制的に伝える必要があると思います。

これも渡辺さんの書かれている通りです。いつになったら收まるのでしょうか。

 

 

「みんなで決めた 日本一の朝ごはん」美味しい朝ごはん調査隊編

実は最近、本の書評を紹介するというサイトに参加しているのですが、そこでは出版社から貰った本をタダで配布しその書評を書くということもしています。

 

この本はそれで貰って書評を書いたものです。(そちらの書評と、ここで書くものとは別です。こちらはより本音に近いことを書いておきます)

 

この本は、昨年行われた「朝ごはんフェスティバル2016」という、日本全国の旅館・ホテルなどで出される朝ごはんメニューの中から「日本一」というものを選んでしまおうという、楽天トラベル主催のイベントの記録です。

 

イベントの形式は、ネットでの投票で各都道府県代表を決定し、それを10月の実食対決で選ぶというもので、実食対決も2日間にわたり、一般参加の1日目と、特別審査員のファイナルステージで決定したということです。

 

エントリー数は1500で、観光地の旅館ホテルばかりでなく市街地のシティーホテルも参戦していました。

この本にもそれらの中から448メニューを紹介されていました。

ただし、観光旅館などでは朝からこんなもん出すのと言うような豪華版もあるのに対し、市街地のホテルなどはそこまでの内容ではなくどちらかと言えばパンの美味しさで勝負といったところが多いようでした。

 

優勝したのは、山形県温海温泉の旅館の、芋煮をイメージして作られた芋煮汁のメニュー。それを岩のりを使った吟醸茶漬けと合わせたものでした。

 

さて、後半で紹介されているホテルなども、さすがに地域では有名どころ、高級風なところばかりでしたが、それでも何箇所はこれまでに泊まったことのあるホテルなどが含まれていました。

ただし、「こんな朝食メニューなんて出なかったよ」と言うところですが。

 

具体的には、石川県金沢の 金沢白鳥路ホテル山楽の「加賀れんこんと鳥手羽元のほろほろ煮」というものです。

まあ、そのときは前夜に飲みすぎて朝食は食べられなかったので、仕方ないですが。

 

兵庫県淡路のホテルニューアワジにも泊まったことがあるのですが、掲載の「地魚干物の炙り」なんていうのは食べませんでした。まあこれもバイキングで洋食メニューばかり食べていたのですが。

 

まあ最近はめったに旅行にも出かける機会が無くなってしまいましたが、宿の朝ごはん目当てなんていう旅も良いかもしれません。ただし、あまり期待して行ってがっかりということも多そうですが。

 

みんなで決めた日本一の朝ごはん

みんなで決めた日本一の朝ごはん

 

 

 

「その〈脳科学〉にご用心」サリー・サテル&スコット・O・リリエンフェルド著

脳科学という分野が発達し、色とりどりの脳画像と称する絵をあちこちで目にするようになってきました。

リアルタイムで画像が見られるために、いろいろな質問をしたり、映像を見せたりした場合の脳の反応といったものを得られるようになり、それを様々な分析に供するといったことを実施するのがブームのようになっています。

 

しかし、その科学性というものはそこまで深く討論されていないようです。

にも関わらず、「アフマディネジャド」の画像を目にした人の脳の反応を見て、活性化したなどとしてそれが何かの意味があるかのように主張する人たちも居ます。

また、アメリカの例ではこれを殺人事件の裁判などに取り入れ、被告が精神的な障害があることを証明して刑の減刑や無罪を得ようという動きも延々と続いているようです。

 

このような状況について、アメリカの精神科医であるサテルと、心理学者のリリエンフェルドが具体例を数多く挙げて説明しているというのが本書です。

 

1980年代に、脳の機能的画像としてPET(陽電子放射線断層撮影法)が出現しました。それから10年も経たない内に、さらに機能を増した「fMRI」(機能的磁気共鳴画像法)が実用化されました。

こういった技術により、様々な状態の人間の脳が観察できるようになりました。

 

この結果、いろいろな分野への応用が試みられ、神経法学、神経経済学、神経哲学、神経マーケティング、神経金融学などという新たな研究領域を産み出しています。

 

脳を研究すればこれまでに人類が立ち向かったうちでも最も深遠な謎、つまり人間そのものの謎が解明されるかもしれないという期待を込めての熱狂です。

 

ある科学者が言うように「脳画像は科学のシンボルとしてボーアの電子モデルに取って代わりつつある」のかもしれません。

他人の頭の中を覗いてそこに意味を見出すということができればと考え、有権者の意見を操作したい政治家、消費者が本当に買いたいものの知りたいマーケター、絶対確実な嘘発見器を手に入れたい警察、中毒研究者、精神病医、被告人弁護士などがこれに飛びつきました。

 

しかし、著書が強調しているのは、「今はまだ脳画像法はそのようなことは何一つできないのだ」ということです。今後の発達はするかもしれませんが、まだ実用的なものではありません。

 

外部からの刺激に答える脳の反応というものを見るというのが脳画像法の根本です。

しかし、そこにはある刺激をそれに反応する脳のある領域とが1対1で対応しているということを暗黙の了解としてしまっていますが、実際はそのようなことがあるはずもありません。

数多くの反応が複雑に絡み合っているものを、1対1に単純化してしまうという、およそ非科学的な手法を使ってしまっているのです。

 

このような、まだ現在のところは不十分な科学性しかもたない方法ですが、何とかそれを使って自らの都合の良い結果を科学の衣をまとわせて出したい連中にはもってこいのもののようです。

 

薬物やアルコールの中毒患者に適用すれば、その中毒症状と言うものは本人の責任から離れて脳の疾患のように見せかけられます。

また、殺人事件の被告の脳に何らかの異常があるように見せれば被告の責任を軽減できるように陪審員に信じさせることもできるかもしれません。

 

著者は、この脳画像法の可能性を否定するわけではないとしています。しかし、現在のこの手法はまだまだ科学的なものとは言えない状態であり、これを恣意的に利用して自らの論議を科学的に見せたいということはやってはいけないことであると主張しています。

 

本書はアメリカで2013年に発行されたものを2015年に翻訳し出版されたものです。日本の状況とは差があるかもしれませんが、どうせアメリカに遅れて付いていく日本のことですから、こうなるのでしょうか。

まあ「一見科学風」に弱い日本人のことですから、すぐに騙されることでしょう。

 

その〈脳科学〉にご用心: 脳画像で心はわかるのか

その〈脳科学〉にご用心: 脳画像で心はわかるのか

 

 

お酒の話 酒会社での体験 その5 品質管理業務

薬品部門から社内配転で酒類部門に移籍し、しばらくは製造技術サポートといった補助部門で慣れるようにウォーミングアップ期間を過ごしたのですが、いよいよその部門の人材難も厳しくなり、事業直結の業務を担当することとなりました。

 

とはいえ、すぐに製造管理は危ないと思われたのでしょう。

まずは品質管理業務からということです。

これにも原酒製造と包装(瓶詰め発送)の両方があり、原酒製造の方はそれほど難しいものでもなかったのですが、包装部門は難問山積のところでした。

 

酒類の包装も、食品の一種ですのでどこでも同様でしょうが、品質管理の要点としては、異物混入、表示、包装異常といったものが危ないところです。

酒類の場合はさらに酒税法上の規制がありますので、特にアルコール分に関連した事項は注意が必要です。

 

どちらの企業でも同様でしょうが、こういった問題点が製品の中に現れるかどうかという点には、「いくら経費をかけるか」が大きなポイントになってきます。

つまり、「コストをかければかけるほど、危険性が減る」ということです。

もちろん、いくらコストをかけたからと言って、きちんとしたオペレーションができなければ危険性の削減にはなりませんが、逆に「コストをかけなくても、きちんとやれば防げる(精神論です)」ということはほぼ成り立ちません。

 

たとえば、包装機器への投資をケチって老朽化した機械を使い続けたり、安物買いの銭失いをしていれば、それを原因とする包装ミスが頻発します。

さらに、工場の建物自体も衛生状態維持ができるだけの構造にするためには、かなりの投資が必要となります。それができる企業では衛生悪化の異物混入も減少します。

 

私の居た工場はこういった好条件とはほぼ真逆のところでした。

きちんとした設備と機器を使えば起こるはずもないことが頻発し、その対応に追われた時期でした。まあ、これも詳述は避けますが。

 

 製品クレームも頻発していましたが、その第一報は本社の担当部に入り、その後現場の工場担当者に調査指示が来ました。

その時の感触ですが、「ほとんどが勘違い、クレーマーも多数。ただし油断していると本当に危険な製品事故を見逃す」というものでした。

 

クレーマーと言われる人々も数多く、そういった人からのクレームもある程度似たような傾向がありました。

焼酎を購入し、一升瓶をほとんど空にしてから販売店に持ち込んで「味がおかしい」といったクレームを寄せる人というのも時々居たようです。

それでもこちらとしては異議を唱えるということもせず、代品として同製品を一本渡すということをしていたようです。

 

かと言って、いつもそういうものかと思って油断していると、本当に製品異常があったということもありました。

 香味異常というのも感じるかどうかは個人差が非常に大きく、毎日味を確かめている品質管理メンバーでも分からないような異常を指摘するお客さんも居たり、驚くこともありました。

 

あまり一般には知られていないことかもしれませんが、紙パック製品といっても牛乳のようなものとは酒用は素材そのものから違うものです。

商品の保管期間がかなり長いため、長期の保存にも耐えられるようにしているのですが、それもかなり難しいものでした。

ほんの小さなピンホールが開いていても、徐々に空気が入り込んでパックがパンパンに膨れる胴膨れという異常になってしまいます。中味にはほとんど関係がないのですが、非常に目立つために大抵の場合は酒販店から直接返品されました。

紙パックの成型は酒の充填と同時に行ないますが、接着部分は熱をかけて圧着します。

その温度が少し高かったりするとピンホールが空きますし、低ければ圧着不良で漏れが出ます。

なかなかコントロールが難しいものでした。

 

 

 

政治権力者の一族郎党への利益誘導は法律で止められるか

加計学園問題についての話ですが、政治の方では首相が出席しての国会審議がああでもないこうでもないで揉めています。

質問時間配分で与野党の意見が合わないそうですが、よほど話したくないことがあるのでしょうか。

 

それはさておき、

表題にも掲げましたように「政治権力者による、一族郎党(なんとも前時代的な言葉ですが、やっていることが前時代的なので仕方がない。まあ親戚知人友人たちと思ってください)への利益誘導」というものを効果的に法律で規制できるかどうかという事を考えてみました。

 

前にも書きましたように、さすがに今回の加計森友問題では贈収賄の立証はほぼ不可能でしょう。

それは何故かと言えば、政治権力者が友人や知人たちの頼みに答えてやるという行為には金銭その他の授受は無い方が普通だろうし、「友人のよしみで」とか「親戚の頼みが聞けんのか」といった事例を贈収賄で縛るのは困難だろうと考えられるからです。

 

それでは、こういった事例は特別なのか。

 

とんでもないですね。こんなことはいわゆる「独裁国家」ではいくらでも見られるはずです。

ということは、日本も晴れて「独裁国家」に成り上がってしまったのか。

 

そうかもしれません。

これまで、長らく自民党長期政権が続いた(一時の気の迷いはあったにせよ)中でも、首相がその一族郎党への利益誘導をしたということは、あまり聞いたこともありません。(無いとも言えませんが)

 

やはり、以前のような派閥のバランスの上に乗っかったような首相であればそこまで傍若無人の振る舞いはできなかったのでしょうか。

それが、できるようになった。独裁への一歩なんでしょう。

 

そうとなると、「一族郎党への利益誘導」を法律で縛るかどうかなどと言っている場合ではなく、「独裁制をどうやって防ぐか」の方が緊急問題ですが、一応それは後のことにしましょう。

 

 

政治権力者の一族郎党への利益誘導を法的に防ぐことができるかどうか。

ここに戻ってみます。

まあ、無理と言った方が早いですが。贈収賄でさえあのザル法でしか縛ることができないのですから、さらに難しいことになるでしょう。

 

まず、そのような可能性がある一族郎党をどうやって認定するかです。

首相就任時に「友人知人リスト」でも出してもらう?

そのリスト内の人物がどのような政府許認可事業に関わるかを監視?

また、それらの人物の資産・収支報告等も公的に監視?

 

ほぼ実行不能ですね。

やはり「独裁阻止」の方策を考えるほうが近道のようです。

「時を刻む湖 7万枚の地層に挑んだ科学者たち」中川毅著

考古学的な時間の計測のために、炭素のアイソトープ14Cというものが使われますが、そこにはどうしても誤差が付き物でした。

大気中の14Cの濃度が一定であると仮定し、それが動植物に取り込まれると徐々に崩壊していくためにその濃度が減っていくのでその動植物が生きた時代が特定できるという方法ですが、大気中の14Cの濃度が実は一定とは言えないということが分かってきました。

 

とはいえ、考古学的資料の絶対年代の測定には他に良い方法も無いために、このアイソトープ計測というのは不可欠な方法です。

そこで考えられたのが、大気中の14Cの濃度の変化を追認できるような資料を求めることでした。

木材には年輪というものがあり、年代とアイソトープ濃度の対照が得やすいということで様々な資料の測定を行ない、アイソトープ濃度と絶対年代の補正(カリブレーション)が行われましたが、ヨーロッパでは12500年前が壁となりそれ以上古い資料は得られませんでした。これは、その時期がヨーロッパでの氷河期の終了時であり、それ以前は氷河に覆われ木が生えていなかったためです。

 

それ以前の資料が何かないかということを世界中の研究者たちが探していた所、日本の福井県三方五湖の一つ、水月湖という湖の堆積物がそれに最適だということが分かってきました。

湖では、夏にはプランクトンが繁茂しその死骸が堆積し、秋から冬にかけては鉄の炭酸塩が堆積するために、毎年繰り返し堆積物が積もっていきます。

それが、まるで年輪のように積み重なるために、「年縞」というものを形成します。

 しかし、たいていの湖ではそれがすぐに撹乱され崩されることになるのですが、水月湖にはきれいに積み重なっていく条件がすべて完備していました。

すなわち、四季の気候がはっきりしていること、流入する川がなく乱されないこと、生物が住みにくく活動により壊されないこと、さらに徐々に沈下する断層形成作用のために埋まらなかったことというものでした。

 

そのような条件であることが最初から意識されて発掘されたわけではなく、偶然に著者の中川さんの師の安田喜憲氏(現在立命館大学)が別目的で調査したものが、きれいな年縞を示していることに気付いたそうです。

なお、この「年縞」という言葉もそのときに安田氏が使い始めたということです。

1991年に発掘を始めてきれいな年縞のある堆積物を得ることができました。しかし、当時はまだそれをどのように活用していくかということもはっきりと方針が決まっていたわけではないようです。

この資料にはざっと見積もって7万年分の堆積物がありました。単純にその数を数えるだけでも相当な手間と時間がかかります。研究者の仕事をそれだけにかける価値があるのかどうかも難しい話でした。

 

様々な紆余曲折があったようですが、これが14C(カーボン14法)による年代測定法のキャリブレーションに使えるのではないかと考え、世界各国の研究者たちの協力も得て、それの完全に近い校正が可能となったのは、本書著者でもあり、この研究の指導者であった中川さんの洞察力と構想企画能力、さらにリーダーシップの為せる技であったのでしょう。

 

この業績のおかげで、これまでカーボン14法ではどうしても年代測定の誤差があると言われてきたものが、その誤差を桁違いに小さくできることになりました。(ただし、資料の選定に問題があれば別ですが)

考古学の発展のために非常な力となるものです。

 

こういった仕事を成し遂げた人の言葉を直接聞くことができるような、本書の価値は非常に高いものと言えるでしょう。

その仕事も決して楽な道ではなかったということもよくわかります。またその障害を乗り越える課程も細かく触れられており、興味深いものです。

(まあ、自分に都合の悪いことは書いていないかどうかは知りませんが)

 

時を刻む湖――7万枚の地層に挑んだ科学者たち (岩波科学ライブラリー)

時を刻む湖――7万枚の地層に挑んだ科学者たち (岩波科学ライブラリー)

 

 

「日本の大問題 現在をどう生きるか」養老孟司、藻谷浩介著

最初の「長いプロローグ」というものを養老さんが書かれており、そこでは「教育論」というものが扱われています。

その後は、養老さんと藻谷さんの対談で進行していきますが、話題は必ずしも教育論のみに留まらず、社会情勢や人の生き方まであちこちに飛び回ることになってしまいました。

 

養老さんは解剖学者でありながら、「バカの壁」などの著作で有名な方ですし、藻谷さんは日本開発銀行勤務を経て現在は地域エコノミストとして活躍されています。

お二人の対談はあまり編集されているようにも見えず延々と続いていきます。

 

気になった事柄に触れておきます。

 

養老さんが書かれている部分ですが、「情報はすべて過去のこと」とあります。

現代は情報化社会と言われていますが、情報というのは基本的にはすべて過去のものです。もう済んでしまったことなのです。

済んでしまったことに取り巻かれて肝心のことを先送りしているのが現代人です。

 

 

石油など化石燃料が減っていくのは間違いのないことです。

今、石油が無くなったとしたら東京は絶対にもたない。車が走れず流通も生活が成り立たない。石油が無くなる前に計画的に地方に分散することが必要であり、そこに日本人の本気度が問われる。

 

地下鉄サリン事件の実行犯だった林郁夫は慶応病院の医師でした。

それが交通事故の加害者となったことでオウム真理教に入信し結局サリン事件を実行しました。

それが、刑務所の中で本を書いたそうです。医者が大量殺人犯になるのは大変な心境の変化があるはずと思い、養老さんは買って読みました。

しかし、その内容は単に「反省しています」ということだけでした。

それで気付いたのは、これは近代日本ではないか。明治維新以降五大国として世界の模範生となりました。これは慶応大学を出て医師になった林郁夫ではないか。

いつの間にか事件に巻き込まれて大量殺人をしてしまった。それを戦後になったらけろりと忘れて「反省してます」

林郁夫は近代日本をそのまま体現しているようなものです。

林になぜこうなったのか聞いてもおそらく自分でうまく説明できないでしょう。日本も同様です。

 

日本の大問題 現在をどう生きるか

日本の大問題 現在をどう生きるか

 

 いろいろ言いたい放題、時事放談のような本でしたがところどころに見るべき部分も見られるように思いました。