爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

最後の塾生卒業

7年前に会社を辞めて以来、遊んでいてもと思い中高生の勉強を見る学習塾をやっていました。

しかし、さすがにこのところセンター試験を見ても解けない問題が増えてしまったため、これまで教えていた生徒の卒業で、終了とすることにしました。

 

今回、高校を卒業し大学に進学するU君は、高校入学時から勉強を見てきましたが、高校の定期テストでも合格ギリギリということが多く、指導にも少し工夫が必要でした。

しかし、無事に大学合格を果たすことができ、日曜に最後の授業を行ないました。

 

もう勉強を教える必要はなかったので、大学生活や就職活動などのアドバイスを行ないました。

 

おそらく、大学でも学力が足りないという場面は多いでしょうが、精神力が強い子なので、なんとかやっていくことでしょう。

 

それほど多くの生徒を教えたわけではありませんが、何人かは非常に強い印象を残してくれました。

まあ、面白かったと言えるでしょう。

「内田樹の研究室」より、「比較敗戦論のために」

内田樹さんは、「寺子屋ゼミ」という活動をやってらっしゃるということですが、今年は「比較敗戦論」というテーマを扱われるそうです。

これについて、姜尚中さんと対談したものが掲載されています。

blog.tatsuru.com

このテーマを取り上げようとしたのは、「永続敗戦論」という著書で話題となった白井聡さんと対談をしたときのことで、白井さんが日本の現状は第二次大戦に敗戦したという事実があるにもかかわらず、「敗戦の否認」というおかしな心理状態のまま戦後を続けてきたためであると主張しているのですが、それに対し内田さんは、「他の敗戦国はどうであったか」ということに心を惹かれたそうです。

 

「永続敗戦論」は読書履歴の中に入っていました。

sohujojo.hatenablog.com

ただし、内田さんと私の違うところはその豊富な知識であり、「他の敗戦国はどうであったか」と言うことに思い当たり、実際に調べるというのはさすがです。

 

まず最初に、第二次大戦の敗戦国としてはドイツ・イタリア・日本とするのが普通ですが、それ以外にも「フィンランドハンガリールーマニアブルガリア、タイ、これらは連合国が敵国として認定した国」というのは盲点でした。

確かに、三国同盟とは言いますがそれ以外にも同盟に協力した国はあったので、これを認識しておかなければ正確な判断はできないでしょう。

 

さらに、フランスなども本当に戦勝国か、イタリアは実は戦勝国ではないのかといった問いかけは歴史の詳細に通じなければなかなかできないことです。

 

それらの国では、ドイツに加担した国民も数多かったのですが、それに反し連合国側に協力したものも居た。

連合国が勝ったのでそれについた人々が正統となったのですが、国全体としてはどちらとも言いづらいものでしょう。

 

その他の三国同盟協力国なども、戦後は「あのことはなかったこと」と言う雰囲気が強かったようです。

どこでもまともに向き合って総括したということもされていません。

 

ドイツの戦後の総括が上手く行ったと言うこともよく言われます。

内田さんの立場はやはり「ナチスに全責任を負わせた」ということがドイツの復活を容易にしたという意見のようです。

ヴァイツゼッカー元大統領が、ヨーロッパ各国でドイツの戦争責任を謝罪していますが、それとともに彼は「ナチスが降伏した日」を「ドイツ国民解放の日」として祝福するという立場の人でした。

 

内田さんは自らを「愛国者」としています。

だからこそ、かつての日本としての蛮行をなかったことにしようとする「いわゆる愛国者」たちの行動を許せません。

僕は歴史修正主義という姿勢に対しては非常に批判的なのですけれども、それは、学問的良心云々というより、僕が愛国者だからです。日本がこれからもしっかり存続してほしい。盤石の土台の上に、国の制度を基礎づけたい。僕はそう思っている。そのためには国民にとって都合の悪い話も、体面の悪い話も、どんどん織り込んで、清濁併せ呑める「タフな物語」を立ち上げることが必要だと思う。だから、「南京虐殺はなかった」とか「慰安婦制度に国は関与していない」とかぐずぐず言い訳がましいことを言っているようではだめなんです。

これが正しい主張でしょう。

 

この文章を見て感じたことですが、「比較戦勝国論」も必要かなということです。

その中でももっとも性悪な国が戦勝国の利益を独り占めしたために世界が崩れ去ろうとしています。

 

 

 

「富士山大噴火」の被害シミュレートって、宝永噴火を想定していて良いと思ってるの。

ニュースを見ていて、「富士山噴火の被害想定」というのが出てきましたが、それが「宝永噴火」と同じ状況想定だというので驚きました。

www.nikkei.com

宝永噴火では、富士山の中腹から爆発的に火山灰が放出され、現在の静岡県東部や神奈川県西部に火山灰が降り積もり、多いところでは1m以上の深さになり農地の被害も多かったようです。

 

しかし、溶岩の噴出はなく、それ以上の被害は出なかったということですので、富士山の噴火史の中ではそれほど大きいというほどのものでは無いはずです。

 

現在の富士山は約10万年前から盛んに活動を始めた、まだ若い火山ですがその間に大きな噴火を繰り返し現在のように日本列島最高峰にまで成長しました。

 

その活動も様々な形を示してきたようです。

ja.wikipedia.org

上記Wikiの中にあるように、

新富士火山の噴火では、溶岩流火砕流スコリア火山灰山体崩壊側火山の噴火などの諸現象が発生しており[3]、「噴火のデパート」と呼ばれている。

 火山灰の噴出だけでなく、溶岩流や火砕流、山体崩壊など周辺に大きな被害をもたらす噴火になる場合もあったようです。

 

864年の貞観噴火では、山腹の多くの噴火口から溶岩を噴出し、その時にできたのが富士五湖青木ヶ原樹海でした。

 

それ以前の大噴火は不明の点が多かったとしても、せめて貞観噴火と同様の噴火が起きた時を想定してシミュレートできなかったのでしょうか。

 

江戸時代の宝永噴火は、規模からしてもとても「大噴火」と言えるようなものではないでしょう。

それをなぜ政府の中央防災会議で取り上げ審議したかのような形式を取ったのか。

 

どう見ても、今後大規模な富士山噴火が起き被害が出た場合に、何も検討していなかったでは済まないと考えてのアリバイ作りとしか言えないと感じます。

 

 もしも、ここで貞観噴火と同様の被害想定をした場合に、その対策を何もやらないでは済まされず、かと言って本格対策などすればその費用は莫大なものになるため、せいぜい火山灰というのがちょうど手頃?な被害予想であったからということです。

 国の検討会ということで、著名な火山学者の方も名を連ねているようですが、彼らは内心どう思っているのでしょうか。

 

誰かのお得意のコンピューターシミュレーションで想定しているようですが、元のデータがだめなら出てくる結果も良くなるはずもありません。

 

またも「カッコつけ政府」の一面を見ることになりました。

熊本の桜はまだ開花宣言が出ないけど、結構咲いています。

熊本のソメイヨシノはまだ開花宣言が出ていませんが、当地のいつもの花見の名所の八代城址に行ってみたら、境内の桜はもうかなり咲いていました。

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場所によって少し違いますが、早いものでは五分咲き程度まで開いているものもあるようです。

 

これは、今年から熊本気象台の開花宣言判定の標準木を変更したのも関係していそうです。

https://www.jma-net.go.jp/kumamoto/kakusyusiryou/20190215_osirase_sakurahennkou.pdf

気象台の発表によると、これまでは熊本市立古町小学校の敷地内のソメイヨシノを標準木としていたのですが、今年から気象台内の木を標準木とする体制が整ったとのことで、変更したということです。

 

まあ、早いから遅いからどうのこうのということもありませんが、花見の時期を判断する基準にもなりますので、できれば花見名所の開き方を反映している標準木が良いのですが。

 

「ネットいじめはなぜ『痛い』のか」 原清治、山内乾史編著

学校などでのイジメ横行には歯止めがかからず、イジメ被害者の自殺により明るみに出るといった事例が頻発しています。

 

まあ、日本では大人社会というもの自体が大変な「イジメ社会」ですので、子供ばかりが是正されるはずもないのですが。

 

しかし、最近のイジメには、ネットを利用した「ネットいじめ」なるものも出現し、それがこれまでの一般に知られているようなイジメとはまた違う側面を持ったもののようです。

こういった昨今のイジメ事情について、教育学者の編者の原さん、山内さんのほか教育学者や教員などといった著者陣により現場の事情についての報告がまとめられています。

ただし、各著者の研究方向により若干統一性がない面もありますが、それも各地のそれぞれの事情に差があるということなのでしょう。

 

本書主題は「ネット」を頻繁に利用している現代の子供たちの中で「ネット」に深く関わるイジメ事情ということなのですが、その前に一般論として「現代のイジメ」についても書かれています。

そこには、我等のような中高年層が忘れがちな事情も指摘されています。

かつての「学校でのイジメのイメージ」と、現代のイジメとはかなり変化があり、それを認識していない大人たちの発言には現代の事情とは噛み合わないものが多いということです。

 

以前(15年以上前)のイジメというものは、クラスで誰とも親しくなく、いつも一人で座っている子供をクラス全員が集中して攻撃するようなものが主流だったそうです。

したがって、教員からも発見することが容易であり、教員が上手く働きかければ解決といったものが多かったということです。

しかし、現代のイジメは一見して「仲良しグループ」と見える数人の子供たちの中でイジメの対象を作り出して行なわれます。

そのため、教員から分かりにくく、「仲良くしている」という認識でしかないのにその内部では深いイジメに発展しているということが多いとか。

 

これは、子供たち自身が「いじめ問題」というものをはっきりと認識しており、そういった摘発を避けるために巧妙に偽装・隠蔽しているということでもあります。

したがって、そう簡単に見抜けるはずもないわけです。

かつてのイジメ事件のイメージしか持てない大人たちは、イジメ自殺事件が発生するたびに教員や周囲の大人が気づけなかったとして批判しがちですが、実際には間近に居ても分からないということが多いようです。

 

そのような子供たちの友人関係というものの変質に加えて、急激に発達したネットというものにより出来上がってきた「ネット社会」の中で発生する「ネットいじめ」というものは、子供たちがすでに「ネットネイティブ」という立場であるのに、新たにネットに参入してきた大人たち「ネットイミグラント」などがすぐに理解できるものではなくなっているということです。

 

ネットネイティブの子供たちとは言え、ネットでの匿名性というものの認識は甘く、警察が本気で捜査すればすぐに分かってしまうとは思わずに悪口の書き込みや、もっとひどい場合は犯罪になる行為をしてしまいます。

それを受けるのは、実は学校で親しくしているように見える友人からであるということで、被害者はさらに傷つくのがネットいじめというものです。

匿名であるために、誰にそのような批判の書き込みをされているのか、分からないのですが、学校で友人との付き合いの中での出来事など秘密のことも明かされるなど、悪口の出処が分からないままさらに批判されるなど、被害者の苦痛を大きくしてしまいます。

 

なお、このような事件が明らかになると、教員や親などはその加害者探しに走りがちですが、現代の子供たちは「なりすましメール」などは簡単に行うことができるので、本当の加害者に至らずに使われただけの名前に引っかかるということが多いようです。

 

ケータイ化が進み、常時接続というものが当たり前になってくると、授業中でも自宅でも常にケータイを見てメールが来ないかをチェックしなければならないという状態になってしまいました。

風呂に入っている時にも見なければという強迫感から、完全防水のケータイを求めるという傾向も強くなったとか。

それでメール着信から15分以内に返信しなければイジメられるという「15分ルール」なるものもできてしまいます。

家庭の教育も重要なところで、食卓でもケータイをチラチラと見ると言ったことが起きているとすでにそういった状態に陥っている可能性があります。

これは家庭のルールとして「食卓ではケータイを見ない」ということを決めれば回避できる可能性もありますが、「もしも子供に守らせたければ親も破ってはいけない」ということができない親も増えているそうです。

 

こういった状態を「ネット依存症」という場合もありますが、そう名付けたところで解決の見通しはなく、別の解決法が必要となるところです。

 

少し前の本ですが、現場の最新の状況が分かるものです。

それにしても、イジメの状況も子供のネット社会の状況も、自分は何も知らなかったのだということが再認識されました。

 

ネットいじめはなぜ「痛い」のか

ネットいじめはなぜ「痛い」のか

 

 

Google mapのデータ劣化? ゼンリンとの契約解除のため?

Google Mapは非常に使用頻度が高く、頼りにしてきましたが、その細部が劣化しているのではと言う話が出ています。

headlines.yahoo.co.jp

これまでは地図製作では有名な㈱ゼンリンと提携していたのですが、その契約が解除されたとか。

 

Google側は自前のデータに切り替えたと発表しているそうですが、ゼンリンの地図データの優秀さは間違いなく、それが使えなくなればGoogle Mapも頼りにできなくなるかもしれません。

 

これはえらいこっちゃ。

 

「内田樹の研究室」より、「五輪のはなし」

内田樹さんのブログ「研究室」、オリンピックの招致についてのものです。

JOC竹田会長の不正関与が疑われ、フランス司法当局の追及が厳しくなり、会長の辞任(とはいっても任期までは務める)が発表されていますが、内田さんは以前からオリンピック開催については反対意見を表明していたということです。

blog.tatsuru.com

 

記事は以前に発表した2編ですが、最初は2016年にAERAに掲載されたもので、ラミーヌ・ディアク前国際陸連会長にJOCが現金を渡したという件について書かれたものです。

これは以前から報道もされていたものですが、日本ではまともに捜査もされていなかったものです。

 

次の「GQ」というところに書かれた記事にもあるように、IOC憲章ではその倫理規定において、五輪開催に賄賂などの支払いが存在した場合は開催中止もありうるとされているそうです。

これは、開催寸前であっても適用されるということで、東京オリンピックにはそのリスクが高いということです。

 

さらに、内田さんが問題視しているのは、このような疑惑を報道しているのがイギリスのメディアであり、捜査しているのがフランス司法当局であるということです。

日本には、自らの内部の不正を自ら正そうとする姿勢すらないということを海外にあらわにしているということです。

非常に恥ずかしい状況である以上に、寸前での開催中止などと言うことになれば日本にとって大きな打撃になるでしょう。

竹田会長の辞任程度の問題ではないようです。

 

私も東京オリンピック招致に力を入れ、あの「おもてなし」とやらで招致成功と言っていた以前から、疑問に思っていました。

費用が数兆円というのも、現在の日本の状況から見てやって良いものかどうか分かりそうなものです。

「国の金」ならいくらでも使って良いかのような風潮がいつまでも続くはずもないのですが。