最近のロボットに関する雰囲気は新たな産業創出というプラス面ばかり強調されるようですが、さすがに賀茂川耕助さんの見る目は違います。
ヨーロッパなどでは移民や難民が労働を奪うという面が大きく、それが移民排斥に繋がるという風潮が問題化していますが、それよりも大きな問題がロボット普及には隠されているということです。
2020年までのわずか4年で世界で710万人が職を失うとか。それも日本などロボット先進国での影響が強いでしょうから、かなりの失業率上積みになるでしょう。
一昔前の脳天気SFの世界では、ロボットが苦しい労働をすべてやってくれるバラ色の未来という描写がよく見られました。
しかし、それで労働から解放された人々がどうやって生活費を稼ぐかという視点がまったく欠けていました。それが現実となりつつあります。
その少しあとのちょっとひねったSFでは、製造業などはすべてロボット化するので人間が行なう職業は店の店員などばかりになるというものもありました。
しかし、今の状況では接客業もロボット化する勢いのようです。(まあロボットの方がマシかもしれませんが)そうなればますます失業者が増加するでしょう。
人減らしで人件費削減というのが、これまでの合理化にさらにロボット代替でスピードを増しているようです。
各企業にとってはコスト削減で間違った方向ではないのでしょうが、それで就業者が少なくなればその国の全体としての「消費者」というものが少なくなってしまうという事になります。
そのことに気付いている人も賀茂川さんなど少しは出てきているようですが、なかなか知識が普及しないようです。これも皆が早く気付かなければ大きく社会を崩してしまう要因になるでしょう。
またも暗い未来を予想させるものでした。