著者は国際ジャーナリストということで、テレビ局のニューヨークやロンドンの支局長をかなり早い時期に務めたと言うことです。どうやらまだソ連が存続していた当時らしく、かなり価値観も古めかしいものに見えます。
どうやら食品関係の雑誌に連載されたエッセイをまとめたもののようで、一応食品にまつわる話題から入りさまざまな話題に広げていくというものですが、欧米在住が長いということでそちらに方向は向いていきます。
経済関係の理解はどうなのかちょっと怪しいと見えるのは、80年代の日本のバブル経済はマスコミが土地価格の高騰に驚いてバブルという言葉を使い始めたのが始まりだという珍説?です。それに怖気を振るった政府と日銀が金融引き締めをしたのがバブル崩壊の原因であり?そのために長い間不況に苦しんでしまったということですが、こういった理解で大丈夫なんでしょうか。現在は80歳を越えているとはいえ、バブル崩壊の頃にはまだ60前で現役世代だったはずですが。
日本の官僚に対しての批判というのはありますが、それに対比してアメリカの高級官僚は「国民の公僕としての意識がある。議会の眼もマスコミのチェックも厳しい。」というのは、あまりにも実態をご存じないとしか言えないですね。アメリカ政府高官のひどさというのはビル・トッテンさんのブログだけでなくあちこちで書かれており、1%の上層階級に奉仕する存在だそうですが。
まあちょっと軽い読み物というにはアラがあちこちに見えるものでした。