テレビのCMを見ていると最近機能性表示食品などで思わせぶりな折れ線グラフを示して健康効果が実際にあることが科学的に証明されているかのように見せるものが目につきます。
どうもおかしいと思い、またもChatGPIに聞いてみました。
結論から言うと、ああしたCMで示されるグラフは「科学論文の最低基準」を満たしているとは限りません。むしろ、多くの場合は論文の一部を切り出して“それっぽく見せている”だけです。
まず、日本の制度である機能性表示食品制度の仕組み自体がポイントです。これは
国が個別に有効性を審査・承認する制度ではなく
企業が「科学的根拠がある」と自己責任で届け出る仕組みです
つまり、極端に言えば「論文が存在すればよい」のであって、その質や再現性が厳密にチェックされるわけではありません。
■ 科学論文の「最低基準」とのズレ
医学・栄養学で信頼性が高いとされるのは、例えば:
ランダム化比較試験(RCT)
二重盲検(プラセボ対照)
十分なサンプル数
事前登録された試験計画
統計的に意味のある差(p値だけでなく効果量も)
といった条件を満たす研究です。
しかしCMや届出資料では:
小規模(数十人程度)の試験
特定条件の被験者(軽度の不調者など)
有意差はあるが効果はごく小さい
都合の良い指標だけを強調
といったケースが普通にあります。
■ 「思わせぶりなグラフ」の典型的な手法
CMでよくあるのは、科学的に不適切というより誤解を誘う表現です。
縦軸のスケールを操作して差を大きく見せる
途中の期間だけ切り出して改善しているように見せる
平均値のわずかな差を強調
「※個人の感想です」と併記して印象操作
これらは論文では許されにくい(査読で突っ込まれる)表現ですが、広告ではグレーゾーンとして使われがちです。
■ 制度上は「合法でも科学的に強いとは限らない」
重要なのはここです:
制度上 → 一定の論文やレビューがあればOK
科学的評価 → 再現性・効果量・バイアスを総合判断
このギャップが大きい
特に、企業が自社に都合の良い論文だけを集めた「システマティックレビュー風の資料」を出すケースもあり、形式的には整っていても信頼性はまちまちです。
■ もう一段踏み込むと
この分野の問題は個々の企業というより構造的で:
栄養・健康分野は効果が小さくばらつきが大きい
人体試験はコストが高く、大規模試験が少ない
「有意差が1つでも出れば使える」という文化
という事情があります。
その結果、「科学的に完全に間違いではないが、実用的な意味はかなり弱い」という研究が広告に使われやすくなります。
■ 現実的な見方
あの種のCMはこう解釈するのが妥当です:
❌「効果が証明されている」
⭕「特定条件ではわずかな変化が観察された可能性がある」
必要なら、「CMやパッケージを見て怪しいかどうかを見抜く具体的なチェックポイント」も整理できます。
まあ、ChatGPIさんも一刀両断ですね。
科学的に間違いとまでは言えないものの、非常に特定された条件でわずかな変化が観察されたというのが実際に近いのでしょう。
問題は適正な科学論文としての場で勝負するのではなく、ちらっとCMに示す手法の方です。
どうせしっかりとは見られないだろうということで判り切ってやっているのでしょう。
しかしこういったことをやっているのがいずれも名の通った大会社です。
おそらくそこに就職している研究者もある程度の実績を持っているのでしょうが、それをこんなことに使っているとは。