政府が一応ポーズだけ外部の声を取り入れるかのように見せるために選ぶ「有識者」
どこが「有識」か分からないような連中が選ばれており、専門家の間からは批判も出ているようですが、永井さんはその専門家たちの意見にも欠けているところがあるという話をしています。
元アナウンサーの中野美奈子が子育て問題の外部有識者に選ばれたりと、その選定基準がおかしいという話は専門家からは批判されており、「一つの論文も書いていない」などということが言われます。
永井さんの論点はやはり研究者としての方からのアプローチであり、「専門の研究者が優れた政策アドバイザーになれるとは限らない」ということを言っています。
「なんであんなのが政府の外部有識者になれるの」という疑問には答えていませんが、まあそれはしょうがないでしょう。
専門家としての能力は査読論文の発表数や、その論文の被引用数である程度は表わされるということですが、それが政府に対するアドバイスを効果的にできるかどうかとは全く関係がないということです。
まあ色々な理由が挙げられていますが、「専門家も専門分野は狭くそれ以外は何も知らない」「なおかつ、そのことを自覚していない」といった辺りが大きなところでしょうか。
「その分野での成功体験が強いため鼻持ちならない」なども言えるかもしれません。
必要な能力としてまとめられているのは次のようなものです。
・ドメイン知識がある
・問題にどっぷりとコミットする意思がある
・自分の専門家としての立ち位置を含む問題の全体像を描ける
・問題解決には専門性だけでは不十分であることを理解している
・断片的なファクトを意思決定につなげる作法を理解し、作ることができる
こういった能力を持つ専門家というのはなかなか居ないのでしょう。
なお、現在選ばれている外部有識者がこれらを持っているとは永井さんも一言も言っていません。
その状況もかなり危ないものと思いますが。
記事中に引用されている、農水省が女優の「有機農業礼賛」を平気で取り上げているという問題も根深い理由がありそうです。