爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「武器なき”環境”戦争」池上彰、手嶋隆一著

環境という問題はもはや政治や経済といったものと同程度に重要度を持つものとなりました。

各国がそれをめぐりあたかも「戦争」を繰り広げるといった状況とも言えます。

 

こういった問題について、池上彰さんがNHKなどで活躍した手嶋さんを迎えて対談したというのがこの本の内容です。

ただし、出版日が2010年9月、対談日はさらにその前ということで、さすがに状況が古くなっていると言わざるを得ません。

なにしろまだ東日本大震災福島原発事故もなかった時ですから。

 

なお、御二方ともに非常に世界情勢等には精通しているのですが、科学技術に関してはどうしてもその有力者たちの情報に左右されてしまうのか、自然エネルギー崇拝、IPCC盲信、温暖化懐疑論頭から否定等々、少し偏ったものですが、それを偏ったとも感じていないでしょう。

 

というわけで現時点ではさほど興味をひかれるところもないのですが、数点のみ。

 

この少し前に開かれたCOP15デンマークで開催されたのですが、まったくの「失敗」だったという評価です。

普段はここまでひどい評価をすることのない池上さんですが、最悪とのことでした。

新興国と先進国の間の溝がまったく埋められず何の成果も無かったということですが、それを言うならこの前のCOP27はどうでしょう。

さらにひどいものだったようですが。

 

現在はなかなか進展しないCO2排出権取引ですが、その時点での観測で、これはサブプライムローン並みの投資事案になりかねないと言われています。

これは現在でもその怖れが無くなってはいないのですが、金融関係者が群がってくればそうなる危険性が十分にあるでしょう。

それを思えばCOP27が新興国への補償問題だけで終わってまだ良かったということかもしれません。

 

というわけであっという間に飛ばし読みで終わりました。