爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「すごすぎる実験の図鑑」株式会社ライブ企画・編集

自然科学の多くの分野では実験というものが重要な位置を占めていますが、しかしいつでも実験ができるというわけではなく、実施が難しい場合も数多くあります。

この本ではそういった中から、こんな実験よくやったものだというものを集めて紹介しています。

なお、中にはイグノーベル賞受賞のものも含まれています。

 

「母は強し」と言われ、子どもを持った母親はその子を守るためには時として自らは命を投げ出してしまうこともあると言われます。

イスラエルのワイツマン科学研究所の、ノアム・ソベルらのグループは、人間の赤ちゃんの頭から放出されるヘキサデカナールという物質に着目し、その物質を被験者当人には知られないように吸収させて、対戦ゲームをしてもらうという実験を行ったそうです。

するとヘキサデカナールを嗅がされた場合、女性では19%がより攻撃的な行動を取り、男性の場合は逆に攻撃的ではない行動をとったそうです。

 

電子書籍が普及してきましたが、どうも電子書籍で読んでも読解力が低下するようだと言われています。

そこで昭和大学医学部の本間元康らのグループが実験を行いました。

彼らは読書の際の「視覚環境」と「呼吸パターン」に着目し、脳の前頭前野の活動を記録するヘッドバンドと、呼吸パターンを記録するエアロモニターを被験者に着けてもらい、スマホと紙媒体で同じ文章を読んでもらいました。

すると読解力のスコアとするものは紙媒体の方がスマホより高いという結果が出ました。

また、スマホの場合は前頭前野の活動がより活発化され、紙媒体の方では「溜息」の回数が増加することが分かりました。

このため、スマホでは脳が過活動の状態になり、一方脳機能を回復させると考えられる溜息の回数は減っているために読解力が減少するということになったという解釈です。

 

他にも様々な実験について紹介されていますが、中には「こんなことして良いのか」と思わせるものや「本当にやったのか怪しい」というものもあるようです。