ジャズには「スタンダード・ナンバー」という曲があります。
クラシックなどではあまり聞かないかもしれませんが、ジャズの場合は主旋律やコード進行などをそのまま取り入れて自分の曲を作っていくということが頻繁にみられるため、スタンダードと言われる曲も多いのでしょう。
この本は1900年代から1960年代までに発表された曲の中から、スタンダードナンバーとして世に流れる曲100を選び解説しています。
なお、解説といっても曲の詳細はそれほどなく、作詞者・作曲者について主に説明されています。
また、そのナンバーを演奏した代表的な演奏者およびレコードについても列挙されています。
最初の1900年から1910年まででは、さすがにアレクサンダーズ・ラグタイム・バンドやセントルイス・ブルースといったもので、時代を感じさせるものです。
しかし1920年以降(ジャズ・エイジ)となると、「二人でお茶を」「恋人よ我に帰れ」「スターダスト」など、最近でも演奏されることも多いような耳慣れた曲が多くなります。
それ以降はもうモダンジャズの真っただ中。
色々な演奏者のものを知っているような曲が次々と現れます。
しかし1960年代以降になるとジャズ自体がメロディーからリズムへと移ってきたようで、魅力的なメロディーのスタンダードナンバーというものからは離れ去ってしまいました。
同じ元歌を使っても全く違う演奏が聴けるというのがジャズスタンダードの魅力です。
スタンダードナンバーの来歴というものを基礎知識として知っておくのも楽しいかもしれません。