設定から何からバリバリのSF小説なのですが、登場人物がやけに若者ばかり、主人公の高校生男女には恋愛感情もあるというもので、どうしてなのかなと思ったら著者あとがきによれば出版社の意向をおもんばかり、こういった設定で書いてしまったということでした。
著者の有川浩さんはあまり知らなかったのですが、あの映画にもなった図書館戦争シリーズなども書かれているということで、相当な売れっ子のようです。
本書はその有川さんの著作の中でもかなり早い時期のもののようです。
まあSF作品でネタバレは禁物でしょうから控えておきますが、冒頭の飛行機事故からその遺族が活躍する流れは引き込まれるようなもので、いい年をしてワクワクさせられます。
ミサイルや核爆弾爆発などヘビーな内容ばかりかと思えば、心理学の成果もちりばめられると、盛沢山なものでした。
それにしても、本書の中でも心配されていますが、日本国産ジェットはいったいどうなるのでしょうか。
本書執筆時にはかなり有望視されていたと思いますが、残念な話です。