爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「貯蓄から投資へ」って勝手なことを言う奴。

まだそれほど失策が目立たないためか内閣支持率も高いままの岸田内閣ですが、正体を表わすようなことを言いだしたようです。

なんと「資産所得倍増計画」「貯蓄から投資へ」

これが「新しい資本主義」だと思っているのでしょうか。

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貯蓄をする余裕すら全く無くなっている人がどんどんと増えているのに投資も何もあったものじゃないとは思いますが。

まあ、そういった人を完全に忘れていることはひとまず置いておいて、「なけなしの貯蓄を投資に回させよう」としている点について。

 

色々と禁じ手や真黒手段を使って株式市場の株価つり上げを行い、金持ちたちの支持を取り付けたのが安倍政権でしたが、それを見習おうということでしょうか。

 

「投資」と言ってもやはり株式でしょうから、それで金が集中すれば株価も上昇するという皮算用でしょう。

 

しかしそもそも「貯蓄」というのは何だったのでしょう。

多くの人は銀行や郵貯に預けていたでしょうが、郵貯は公共事業に回ったとしても銀行に預金した金はそのまま銀行にあったわけではありません。

銀行はそれを企業などに融資しその利息を収益としていたのですから、決して「投資」と関係が無かったわけではありません。

しかし低金利でそれが回らなくなったということもあるでしょうし、何より企業の資金需要が乏しくなっているためにその道が細くなっているのでしょう。

その現在、「投資」に資金を回してどうなるのか。

その選択肢は投資会社や銀行などに聞けばいくらでも教えてくれます。

日本株式だけでなく、世界の株式、各国国債などの投資信託などありますが、海外に資金が流出するのはどうなんでしょう。

まさか日本株以外は危険だと思うからやらないと高をくくっているか。

 

しかしそういった投資会社に聞けばまず一番最初に言われることが「元本保証ではなく危険性がある」ということのはずです。

そしてそれは様々な不安定要因が増大している中で決して決まり文句だから言うだけでなく実際の危険性も増しているはずです。

株式はどこでも不安定さを増し、国債は大増発が各国で行われているために危険性は増すばかりです。

こんな時期に政府の口車に乗って危ないことをするのはどうでしょうか。

 

私も会社を退職した後、ちょっとばかり退職金が入ったので一時は投資信託をしたことがありました。

しかしどうも世情が不安ということで一気にすべて清算してしまいました。

それがコロナ禍よりはしばらく前だったのですが、世界的にコロナ流行が広がり経済活動が停滞しだした時にはその判断が成功だったかと思ったものです。

その時の見方ほどには株式や債券市場は崩れることもなく、逆に高騰する株も出てきていますが、やはり実際にはかなり危険な情勢だと思っています。

貯蓄で持っていても決して安全ではありませんが、投資の危うさよりははるかにマシでしょう。