格差が広がったと言われていますが、職業や地位の違いによる格差とともに、国内での地域の格差というものもかなり大きいということは感じられます。
ただし、それが実際どの程度のものかということは中々はっきりしないというところでしょうか。
それを科学ジャーナリストの佐藤さんができるだけ数値化しまとめて見せてくれます。
数字を見てあらためて驚くものも多いようです。
ただし、本書出版は2013年、安倍政治開始の直前までのデータですので、そこからさらに格差拡大しているかもしれません。
現状がどうなっているか、怖ろしいほどです。
内容としては、「所得」「世帯生活の経済状況」「県内の格差」「教育関連」「犯罪・治安」「結婚・出産・健康」といったものになります。
あくまでも10年近く前の数字ですが。
所得格差は最高の東京と最低の沖縄・秋田で、男性で1.9倍、女性で1.6倍だそうです。
同一の業務でも賃金の差があるのに加え、高額収入の職種が都会に多いことや、高給取が多い大企業も都会にあるということからそういった数字となっています。
ただし、公務員の給与は全国的に差が小さいため、地方では民間と比べて自治体職員の給与が高いということになってしまいます。
教育格差という点では、全国学力調査の結果から秋田と北陸は学力が高く、沖縄と北海道は基礎学力が定着していないという結果が出ています。
また体力の調査でも学力が高い地方では体力も高いといった結果が出ているそうです。
犯罪発生率、検挙率というものも地方によって大きな差があり、やはり大都市圏で犯罪発生率が高く、検挙率が低いという傾向があります。
その中でも大阪がさらに高く、検挙されないということになっています。
どちらも最も良好なのが山口県だとか。
日本人の死亡原因で多いのは、ガン、心疾患(心筋梗塞等)、脳血管疾患(脳梗塞等)、肺炎ですが、この死亡率が高いのが秋田だそうです。
ガン・脳血管疾患で全国一位、心疾患でも8位、肺炎でも2位に入ります。
この原因は分かっていないそうです。
これらの4疾患の死亡率が低いのが沖縄で、すべてで全国最下位。
ただし、沖縄は肝疾患が全国トップ、慢性閉塞性肺疾患も高いと、他の都道府県とはかなり違う病気の傾向を示しているそうです。
こういった本を読むとやはり今住んでいる熊本県がどうなのか、気になります。
まあ色々な感想はありますが、ちょっと書くのは憚られますので止めておきます。