爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

熊本への台湾半導体メーカーTSMC進出へ期待が膨らむが。

熊本県菊陽町に台湾の半導体メーカーTSMCが新工場を建設し進出するというニュースは全国的にも大きなものだったのでしょう。

熊本県内ではさらに周辺に半導体関連企業が進出を決めたとか、必要な人材の養成を始めるといった話が次々と聞こえてきます。

kumanichi.com

この記事も地元新聞の熊本日日新聞が報じたもので、様々な波及効果に期待しての動きが強まっているということです。

 

しかし、あまりにも良い話ばかりだと警戒心が生じてしまうというのは、色々な事例を見てきた年寄りだからこその感想でしょうか。

 

半導体供給は増減はあったのでしょうが、特に最近の各地の新型コロナウイルス感染拡大で製造企業の操業が滞ったり、輸送が十分にできないことで急に問題化してきました。

そのため、国も力を入れて製造企業誘致に多額の補助金を出し、それでTSMCも日本進出を決めたという話です。

 

九州はかつても半導体供給企業が立ち並びシリコンアイランドなどとも言われていたのですが、その後供給過多になりコスト安のアジア企業に敗退して撤退していきました。

TSMCの操業開始もまだしばらく先の話ですが、工場が完成したころには需給バランスが崩れ・・・といった危険性は本当にないのでしょうか。

 

まあ工場建設などは失敗しても仕方ない(建設しない失敗の方が痛い)でしょうが、一番厳しいのはそれを期待してその道に進もうとする若者たちの職が確保されるかどうかということです。

数年かけて勉強しようやく人材として一人前になった頃には進出企業が撤退というのでは目も当てられません。

 

さて、本当に大丈夫なんでしょうか。