爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「鶏肉の低温調理の危険性」松永和紀さんの解説より。(後編 鶏肉)

後編は鶏肉などについてです。

牛肉よりさらに危険性があるようです。

president.jp

サラダチキンなるものが流行していますが、それを自作しようということも広がっているとか。

しかしあまりにも安易な方法で行われているので非常に危険なようです。

 

牛肉と比べても鶏肉の場合はカンピロバクターが含まれている危険性が強く、調査により違いはありますが市販の鶏肉の7割に検出されたというものもあります。

カンピロバクターの食中毒は非常に多く、さらに稀な例ですがギランバレー症候群を発症することもありそうなったら治療も難しい難病となってしまいます。

松永さんの若い友人は、同じ料理店で3度カンピロ中毒にかかったのに懲りていないそうです。

たいていの場合は下痢や嘔吐でも軽い症状なので軽く見ているのでしょう。

ただし、ギランバレー症候群は繰り返しカンピロ食中毒を起こした場合に罹りやすくなるという話もあります。

 

なお、地域によって昔から鶏肉の生食の習慣があるところもあるため、その情報が誤って伝わることもあります。

松永さんの記事には書かれていませんが、これは鹿児島でしょう。

しかしそういった県では独自の安全基準が設定されており、厳しい衛生基準が定められているので、菌汚染の危険性が減っているということは忘れてはいけないことです。

それが無い地域では全く参考にはなりません。

 

そして、このサラダチキンブームです。

これを自作するレシピというのが広まっているそうですが、なるべくジューシーで柔らかくと考えるのか、加熱条件を緩くするという傾向が強いようです。

しかしこれも専門家のように見えてもその知識がない人のレシピが広まっているということがあるようで、不十分な加熱条件が散見されるそうです。

鶏肉は牛肉と比べても形状や肉質の関係で内部まできちんと温度上昇するにはより長時間が必要となるようです。

食品安全委員会の調査では低温調理機を用いた例で300gの鶏むね肉を超リシア場合、63℃まで上昇するのに68分、それを30分保持するということで計100分近くかかりました。

これもそこまでと認識されているのか不安なところです。

 

「馬刺しは食べられるのに」という疑問を持つ人もいるということですが、これも馬刺しには非常に厳しい衛生基準が設定されており、さらに最近では必ず冷凍してから食べるということで寄生虫の害を防ぐという対策がされているようです。

 

非常に安易なレシピの氾濫はネット社会の危険性という面もあるのでしょう。