広く使われているにも関わらず、「健康に悪い」といった風説が出され、「化学調味料無添加」といった表示が何か素晴らしいことのように堂々と示されることが多いのですが、こういった風潮に対し松永和紀さんが「おいしい健康」というサイトの中の「読む、えいよう」というコーナーで連載されています。
最初の文章は、「うま味調味料」に関するものです。
グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムといったものですが、初期にイメージの良かった言葉として「化学」をつけて化学調味料と呼ばれたものの、その後「化学」のイメージが急降下したため「うま味調味料」と呼ぶようになりました。
しかし、これを攻撃する人たちは相変わらず「化学調味料」と呼び続けているようです。
これらの物質は昆布や鰹節などの主成分でもあり、他の食品にも多く含まれているものです。
それを製造メーカーでは種々の農産物を原料にして発酵法や酵素反応法で作り出し、精製して製品にしています。
またかつては身体に悪いといった学説もあったのですが、その後の研究の結果通常の摂取量では害は無いということが確かめられています。
しかし最近では「大量のうま味調味料を食べると味覚障害になる」などといったことも言われていますが、これも証明はされていません。
うま味調味料そのものだけでなく、「顆粒調味料」「液体だし」といったものを中傷する意見もあるそうです。
oishi-kenko.comこういった製品を「風味調味料」と呼ぶそうですが、こういったものにも様々なタイプのものがあります。
風味原料といった、鰹節、昆布その他の原料に、アミノ酸などのうま味調味料を加えるものが多いようです。
しかし、ここでも「うま味調味料無添加」を謳うものがあり、それらは価格も高いようです。
ところが、「風味調味料」を嫌がる人たちの中には、うま味調味料が含まれているかどうかということより、「工場で加工されている」ことを忌避する人も居るようです。
とにかく、「自分で鰹節や昆布からだしを取らなければだめ」という価値観なのでしょう。
まあ自分のやることだけなら好きにやってもらって構わないのでしょうが、他人に押し付けるものではないでしょう。
それと、次に松永さんも付け加えていますが、「だしを取る」と必ず「だしがら」というものが出ます。
もちろんそれも料理に利用している人も多いのでしょうが、なかなか使い切れない場合も多いでしょう。
しかし、メーカーが製造する場合はこのような「だしがら」も絶対に捨てることはなく、様々な工程で製品を作ったり、最後の部分は飼料にしたりと有効活用を図ります。
そういった意味では個人でだしを取るより環境には良いと言えそうです。
どうやら、こういったうま味調味料、風味調味料というものが「健康に悪い」ということはなさそうです。
あとは趣味の問題ですが、上手に使いこなすことで手間や時間も省け資源の有効活用にもなるようです。