水滸伝は、宋の時代を舞台にしたもので、明代に成立した中国四大奇書の一つとされているものですが、内容はそれまでに街頭の講談などで広く語られていたものと見られています。
講談だけに、荒唐無稽なものですが、この陳舜臣さんの本は内容をかなり合理的に整理して、現代でも読みやすいような形にしています。
ただし、基本的な筋は変えてはいないようです。
古代に封じられた妖魔が抜け出し、人間に形を変えて集まって梁山泊を根城に腐敗した王朝に抵抗するというものです。
ただし、明代以前に語られていた講談の中には長いものもあり、そこでは豪傑たちが朝廷に取り込まれて戦い死んでいくといったところまで描いているものもありますが、さすがに陳さんは70回本という、豪傑たちが集合するところまでで止めたものに倣ったそうです。
内容は触れないことにしますが、まあ良く知れ渡っているものですので、あえて書くこともないでしょう。