爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

横浜の巨大風力発電施設「もとを取れるなどとは思っていません」という正直なお言葉。

横浜市の港近くに巨大な風力発電設備があるそうですが、その見学会があったという記事です。

kaden.watch.impress.co.jp「ハマウィング」と言うそうですが、高さ180mの巨大なもので、横浜周辺の人ならだれでも見たことがありそうなところだということです。

 

これは、横浜市が運営するということですが、年間210万kwhで「860世帯分」の電力をまかなうということです。

それだけかよと思わざるを得ません。

 

見学会での職員の説明と言うものが載っています。

 

風力発電は平均風速が6m/秒以上あって初めて採算がとれるもので、都心では、そこまでの風がありません。横浜市内は比較的風が吹く場所ではあるものの、瑞穂ふ頭だと5m/秒程度であるため、最初から採算が取れないことはわかっていました。それでも横浜のシンボルにしたい、という思いで作ったものなのです」

 

なんと、初めから採算が取れるとは思わず、”横浜のシンボルにしたい”という思いだけで作ったという衝撃の告白?です。

 

何のシンボルでしょう。頭空っぽであるというシンボルでしょうか。

 

なお、完成したのは2006年、もう15年も前なので、今では世界的な需要増と技術革新で建設費も相当下がっているはずという、まったく根拠のないことが述べられています。

 

スケールアップの効果が得られるのは巨大工場生産などの集約効果が期待されるところだけであり、このような個別の建設工事ではそれは無理でしょう。

 

さらに、発電電力の売電では売り上げが十分望めないので、「水素を作って燃料電池フォークリフトの燃料とする実証実験を行う」だとか。

あちこちにエネルギーの形を変えながら行ったり来たり、そのうちに元も子もなくなるということが「実証」されるでしょう。

 

なお、この記事中で言われている「コストが合わない」というのはあくまでも金銭的なコストの意味でしょう。

もっとシビアな「エネルギーコスト」を考えれば、入力エネルギーの何割が得られるか。

ほとんど期待もできないものでしょう。

 

このような馬鹿な実例を詳しく紹介してもらうと、良い参考にはなります。