爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

流通小売販売はどこへ行くのか、どう見ても異形なタクシー配達。

横浜でデパートとタクシー会社が提携して生鮮食品をタクシーで届けるというサービスが始まったそうです。

www.nikkei.com

高島屋横浜店がタクシー会社のクワハラというところと組んでのサービスですが、1日当たり6組限定ということですから、単なる話題作りの可能性もあります。

 

もともと割高のデパートの生鮮食品価格にさらにタクシー代もかかるということですから、かなりの高収入消費者が目当てでしょうが、一方ではディスカウント、アウトレットといった格安スーパーもあり、両極端がさらに開いていくということでしょうか。

 

 物資の流通量の増大とともに、販売業の形態も変わってきました。

 

一昔(以上前か)前のころの、ご近所に小さな小売店があって消費者は徒歩や自転車で買いに行っていた頃には、卸売り業者がその小売店に商品を配送していたのでしょうが、その経費は大きなもので商品価格の大きな部分を占めていたのでしょう。

 

それを削るためもあり、小売店の集約化が進みました。

とはいえ、買いに行けなければどうしようもないのですが、モータリゼーションが進むのと同時にスーパーマーケットの大型化も進みます。

多くの小売店への商品配送の代わりに、消費者が離れたスーパーまで買いに集まるようになったとも言えます。

それで商品価格は下がったのですが、その代わりに各消費者が運送費を自前負担にしたと考えれば実質的には下がったと言えるのかどうか。

さらに、自動車に乗れない人の消費活動は困難になりました。

 

そして、今度はネット環境の急速な拡大により、通販の爆発的拡大です。

これまでの流通販売業の衰退に伴い、失業圧力の増大もあって労働者賃金も下がっているために、戸別配送も運送業者の手数料下落によって可能となっています。

しかし、いくら下がるにしても限度はあるでしょうから、これまでの店舗販売が壊滅するということはないように思います。

少々高めの商品や、なかなか望みの品が見つからないものなどは通販で多少の送料がかかっても仕方ないと思えるのでしょうが、生鮮食料品などまで本当に通販になるのか。

 

そう言った意味で、最初に引用した「タクシーで生鮮品配送」はいかにも異様な状況に見えるのですが、これはこれからも変わらないでしょう。

まあ「金さえあれば何でもできる」といったものと言う認識で間違いないかも。

それでも、流通販売の形態としてかなり変わってきているし、これからも大きく変化していくことになるのでしょうか。