爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「しょぼい起業で生きていく」えらいてんちょう著

つい最近も起業というものについての本を読み、成功などとても難しいということを知ったのですが、今回の本は、「しょぼい起業」つまり最初は大して金もかけずリスクも少ないようなやり方でやっていけばそこそこ行けるというものでした。

 

著者の「えらいてんちょう」さんはもちろん偽名、というかツイッターのアカウント名ということで、本名も書いてあります(矢内東紀)

 

起業したわけというのも、「就職活動なんてやってられない」「そもそも毎朝決まった時間に満員電車に乗って会社に通うのも無理」という理由からで、何がやりたいとか独立して腕を振るいたいとかいったことではなかったそうです。

 

その後、何となく成り行きでリサイクルショップを開店、さらに「イベントバー」というちょっと変わったシステムのバーをオープン、そこそこ当たってさらに系列店まで開いてしまったそうです。

 

今はサラリーマンという職業が厳しいばかりとなってしまいました。

大した収入にもならないのに拘束時間ばかり長くなり精神的にも圧迫される。

そういった生活に耐えられない人も「落伍者」とはもう言えないようです。

それなら、そういった生活から抜け出すという意味だけでも起業して独立しても良いのでは。

もちろん、それほど儲けも期待できませんが、「しょぼい」やり方でやっていくなら初期投資もほとんど不要、食べていくだけなら何とかなりそうです。

 

儲けようと思うから一等地にきれいな店を構えてと思い、そういった物件を借りようとするととんでもない費用がかかります。

安いところを狙えばかなり低い投資で十分に店は持てます。

さらに、契約上住むことはできない店舗であっても、「帰れないので寝てしまった」という言い訳でずっと住んでしまえば住居費も要らなくなります。

大家からもそんなに文句は言われないとか。

 

そんなところは客も来ないかどうか。

そこから先が腕の見せどころのようです。

店舗というのは「常にだれかが店番している」というのが重要なことのようです。

店員が居る時を狙って来店するなんていう面倒なことは、客には求められません。

いくら良い商品を売っていようが、店に行った時に誰も居なければもう買う気はなくなります。

そのためにも「店に住んでしまう」というのは有効のようです。

 

さらに、「従業員はアルバイトと言えど雇わない」というのも重要です。

そんなものはかなり売り上げが上がってからで十分です。

 

それよりも、客とも言えない様なおなじみさんを作り、その人が何もしないでも店にうろうろしているという雰囲気が出れば、繁盛店のように見えます。

そういった居心地の良いスペースとなれば、大した品物でなくても売れるようになります。

 

さらに、ご近所さんに手伝ってもらうことができるようになれば最上です。

もちろん、その前には自分から近所の手伝いをタダでやっておくことも重要です。

誰でも一度手伝ってもらったら今度は自分がと思うようになります。

それで店を少しの間でも空ける用事があった時に「ちょっと店番しておいて」と言えるような関係が築ければかなりやりやすくなります。

 

他にも「しょぼい起業」をやる上での留意点、ヒントがいろいろと書かれています。

商売の原則というのは、けっこうこんなところにあるのかもと考えさせられます。

 

しょぼい起業で生きていく

しょぼい起業で生きていく