爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

新型コロナウイルスワクチン接種、実施する担当者になったつもりで考えてみた。

新型コロナウイルス対策の決め手として(怪しい点もありますが)ワクチン接種が始まろうとしてます。

ぼつぼつと計画やシミュレーション、実施練習などと言った話題も上がってきていますが、素人が想像するだけでも大変な事業になるようです。

 

河野行革担当大臣に実施責任者を押し付け(政界イジメ?)計画させるといった話もありますが、そもそも集団接種ということ自体ほとんど経験の無いことのはずですし、今回のワクチンは―70℃保管が必要というとんでもない取扱い困難のものです。

またアナフィラキシーショックの発生という副反応も報告されているため、その対策も考えておかなければならないという、三重苦、四重苦の問題林立のようです。

 

www.mstage-corp.jp

上記のお医者さんへのアンケートでは、接種協力を求められれば協力したいという答えが多く、頭の下がる思いですが、その接種担当医師や看護師、運営担当職員などの手配も相当無理が伴う事態のようです。

 

地方小都市の我が町での例を考えてみました。

熊本県南の小都市ですが、人口は約15万人。

この全員に2回ずつの接種を行うとして、30万回。

1日1000回接種としても何と300日かかります。

1000回接種をもし5人の医師が分担して行うと1日あたり一人200回。

1回あたりの時間を仮に3分とすると200回×3分=600分

何と休憩も昼食も無しで10時間連続の接種となります。

 

担当していただく医師をもっと増やせば負担は減りますが、通常業務以外にこういった業務を委託できる医師はそれほどいないでしょう。

 

 さらに会場をどうするのかという問題もあります。

かなり大きな場所でなければ無理でしょうから体育館のような場所でしょうか。

しかし我が町ではほとんどの人が自家用車で来なければいけませんので十分な駐車場も必要です。

1日1000人に接種するとなると1000台の車が入れ替わり立ち代わり入ってきます。

相当な混雑が必至でしょう。

また、アナフィラキシーショック反応が出るかどうかを確認し、もしも出た場合は急遽医療機関での治療が必要ですが、接種後ある程度の待機時間を座っていてもらわなければならないとなると、さらに大きなスペースが必要でしょう。

しかも、わが町のようにだだっぴろい自治体の場合は何か所もの別会場を用意するかどうかも大問題です。

何しろ、市町村合併でいくつもの町村を統合したので、もっとも離れている九州山地の奥の集落などは市街地まで出てくるのに自動車を走らせても2時間以上もかかります。

ここで、例のファイザー製ワクチンの―70℃保管問題が関わってきます。

解凍後冷蔵で5日程度保管可能とはなっているようですが、本当に効果が減少しないのでしょうか。

とにかく、市街地中心部に超低温冷凍庫を置いてそこで保管するとしても、それを別会場まで運び接種に使うためには運輸業者任せにはできないでしょうから、市役所職員がドライアイスを詰めた箱に入れて車で接種時間まで間に合わせるように走るのでしょうか。(大変な事)

 

さて、こういった接種は自分で車を運転し歩いて会場に入れる人はまだ可能ですが、多くの高齢者(特にこちらでは多い)や身障者のように移動が困難な人にとっては大変なことです。

私の義父(妻の父)も現在寝たきりとなって小さな病院に入院しているのですが、そのような病院の入院患者はどうやって接種するのでしょうか。

患者を連れての移動はまず無理です。

かと言って、全員でも10人程度の入院患者分のワクチンを届けてくれるのでしょうか。

他にも老人介護施設が何十か所もあります。

ワクチンを届ければそこの医師で接種はできるでしょうが、その配送が問題でしょう。

 

ニュースではどうもこういった大変な計画は国から地方自治体へ丸投げのようです。

しかも、自治体によっては民間丸投げというところもあるとか。

そんな状況でまともな集団接種ができるかどうか、疑問です。

 

地方の小都市の困難な状況は以上ですが、都会の大人口地帯での問題はさらに大きなものでしょう。

数百万人もの都市で全員接種なんて、どうやってやるのでしょうか。

考えるのも恐ろしい事態になりそうです。