ヤフーが運営する、海や漁業に関するニュースを流すサイトGyoppyで、衛星から漁船や漁の状態が監視できるという話題がありました。
すでに航空機の状況をリアルタイムで捉えることは可能となっていますが、船でもそれが可能となっているということです。
水産研究・教育機構の大関芳沖さんという方にインタビューした記事です。
船同士の衝突回避のために電波を発信するAISという機器を日本では300t以上の船に設置しなければならないと定められており、諸外国でも多少の違いはあっても原則的に同様な規則が定められています。
この機器からの電波は非常に微弱なのでそれほど他の用途には使えないと考えられてきましたが、最近の技術進歩で衛星からとらえることができるようになりました。
さらにそれをAIを利用した分析を行うことで、漁船の操業実態まで判断できるようになったということです。
まず、漁船の現在位置というものは判別できるのですが、その動きを解析することでその船が網を下ろしているのか、上げているのかを判断し、その間は操業しているということが分かるそうです。
これでその船の位置などから違法操業かどうかの判別も可能となります。
それによると、北朝鮮のイカ釣り漁船は違法操業のようですが、中国などは日本の200カイリ外の水域で操業しており、違法とは言えないものがほとんどとか。
ただし、大関さんが実際に中国などの漁業関係者と話をすると、日本の200カイリ以内には魚が非常に豊富だということを言っているようです。
日本の漁業者が魚が取れないということを言っていますが、日本の漁業自体に問題があり、その時々で一番多い魚を獲るということができず、決まった魚だけを追っているために漁獲が上がらないのだとか。
記事のそのあとは日本の漁業が抱える構造的な問題に移っていきますが、私としては「漁船操業の実態が宇宙から見られている」というところに驚きました。
やがてそれは陸上をスマホを持って歩いている人の即時監視に発展するかもしれません。
驚くような未来がやってくるのでしょうか。