爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「中世騎士物語」ブルフィンチ著

トマス・ブルフィンチアメリカの19世紀の作家ですが、ヨーロッパの神話や伝承に詳しく様々な著作があります。

この本は、The Age of Chivalry (1858)の訳で、訳者は野上弥生子さん、1942年に初版発行、この本は改版で1980年に出版されたものです。

 

内容は、イギリスの伝説のアーサー王物語を中心としたものです。

 

アーサー王物語、トリスタンとイゾルデ、パーシヴァルやラーンスロット、ガウェインなど、今でもあちこちに名前が出てくるような伝説の元が描かれています。

 

とはいえ、内容は騎士が武者修行の旅に行き、淑女にめぐり合い、また出会った騎士と対戦をするということの繰り返しで、そのうちに飽きてきますが。

 

なお、原題のChivalry とは騎士道と訳される言葉で、力量、勇気、正義、謙譲、忠誠、礼節、憐憫と教会への献身といった美徳を具有する騎士によって守られる道ということです。

 

この本は伝説の原典に近いのでしょうが、この雰囲気に浸ることが目的でないのなら、解説本を読んだ方がすっきりと頭に入りそうです。

 

中世騎士物語 (岩波文庫)