爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「リユースは日本にも広がるか」よんばばさんも同じニュースを見ていました。

昨日のテレビニュースで「リユースは日本にも広がるか」という題で、アメリカでステンレス製の食品容器を回収して使うというシステムを広げようという会社が紹介されていました。

 

これについて、何か書いてやろうと思っていたら、よんばばさんのところで先に書かれていました。

hikikomoriobaba.hatenadiary.com

ただし、私の感じた感想とはちょっと違っているようです。

 

この会社のやっていることは、ステンレスやガラス、プラスチック製の容器を食品や日用品のメーカーに卸して詰めてもらい、その販売と容器回収をしてその容器をまた洗浄しメーカーに卸すというもののようです。

lessplasticlife.com

ネット通販の宅配システムを使うことで回収を確実にするということでしょうが、そこまで手を掛けるとコストが増えるのではないかと思います。

 

まあ、それはそのうちにはっきりしてくるでしょうが、ここからは思い出話。

 

私は何度も書いているように、酒類メーカーに勤務しもっとも長く携わってきたのは微生物の研究や開発ですが、その次に長い時間働いたのが酒の製造や品質管理で、その中には瓶詰包装部門も含まれていました。

 

アメリカ発のリユースを日本にもなんて言われていますが、液体の食品(酒、醤油、油等々)を入れる「一升瓶システム」は長く包装容器リユースシステム(なんていう言い方はしませんでしたが)として日本中で運用されていました。

 

しかし、やってみると簡単な話ではありませんでした。

 

今はどうか知りませんが、かつては買ってきて飲み終えて空になった一升瓶は色々なことに使われていました。(これも「リユース」?)

それも、安全なものばかりなら良いのですが、中には農薬やら廃油やらを入れていた人もいたようで、しかもそれをずっと使い続けて後は捨ててくれば良いものの、また酒屋に持ってくるということが多かったようです。(返せばお金が貰えました)

 

そのようなビンは多少の水洗浄程度ではとても汚れが落ちません。

 

特に入れたまま水分が蒸発して固まったものや、粘度が上がりこびりついたものは中々落とすのが難しいものでした。

 

そのため、回収ビンの洗浄工程は非常に大がかりな機械を使い、まず多くの人を配置した目視ラインであまりにもひどい汚れビンは破棄、その後アルカリ洗浄装置で洗浄、さらに熱水洗浄装置でアルカリも除去、そして最後に清水洗浄をしてようやく瓶詰に回すということで、人手も手間も、蒸気やアルカリなどの経費も掛かるという、コストもエネルギーも大量消費のラインでした。

結局、ガラス瓶でも新瓶を買った方がかえって安いなどと言うこともあった記憶があります。

さらに、その当時の業界紙を見ていたら、「コストと人手を削減するペット容器の採用を」などと言う宣伝が載っていたことも覚えています。

 

まあ、今ではAIを駆使した監視システムを作り上げ、怪しい回収容器は自動で廃棄といったこともできるでしょうが、それでも危険があることは間違いないでしょう。

 

これからの時代、使い捨てのプラスチック容器なんていうものがこのまま続くはずはないのですが、それでもかなり難しい問題を抱えている分野だと思います。