アメリカ大統領選挙ではバイデンが勝利したとして政権移行手続きを進める構えですが、トランプは選挙で不正があったとして訴訟を連発、徹底抗戦の構えです。
そういったトランプの主張の根拠が「郵便投票で不正があった」というものですが、いまだにその具体的な証拠を示していません。
今回はコロナ禍の影響もあり、郵便投票が空前の数にのぼったということです。
しかし、郵便投票では投票の公正さを保つことが難しく、不正の温床であるということはトランプも選挙前から繰り返し主張していました。
さて、郵便投票とは何なのか。
www.swissinfo.ch引用した、スイスインフォというものには世界各国の郵便投票事情が書かれています。
郵便投票が可能な国としては、欧米各国の他日本も含まれています。
ちょっと盲点になっていましたが、不在者投票でこれも可能となるように選挙制度が改正されていたそうです。
とは言え、大規模なのはアメリカでしょう。
ノルウェーの例があげられていますが、かなり複雑な認証制度を設け、公正さを確保しようとしているようです。
しかし、アメリカなどでは不正はあり得るようで、それをトランプは選挙前から主張することで法廷闘争の余地を作っていたとも言えます。
選挙は公正でなければならないのですが、そこには「投票の公正」「開票の公正」「集計の公正」があるでしょう。
開票や集計の不正などといったことは、東欧やアジアアフリカの選挙ではありそうですが、さすがにアメリカでは無理ではないでしょうか。
しかし、「投票が公正に行われるかどうか」は特に「郵便投票制度」を認めている場合はかなり問題となりそうです。
日本でも政治制度や選挙制度はかなりガタガタですが、「投票制度」は相当な信頼性を確保していると言えるでしょう。
ほとんどの投票は、当日の投票所か期日前の投票所で行われ、そこには住民代表や係員がじっと投票を見つめ(監視し)ており、ほぼ公正さを維持していると言えます。
しかし、アメリカの郵便投票ではこれが担保されているとは言えないのではないでしょうか。
そこには数多くの不正もあったかもしれません。
ただし、その不正の危険性も、「誰でも投票できる権利を持つ」という所から見れば仕方ないものであるのでしょう。
日本のようにほぼどこでも近いところに投票所が設けられるのとは違い、車で数時間以上もかかるのでは投票権利が確保されているとは言い難いのでしょう。
そのために設けられたとも言える「郵便投票制度」はなかなか廃止もできないのでしょう。
トランプはここに来て郵便投票制度の不正を言い出し訴訟に持ち込んだ。
本来ならばその危険性があるのなら自分の大統領就任時からその問題点を挙げて制度改革を進めるべき問題です。
自分が落選したからと言ってその制度の不正を言い立てるのは無理でしょう。
アメリカの司法もいくら保守派が増加したとはいえ、このような訴えが通るはずはないでしょう。
混乱の責任はトランプだけにあります。
早く無謀な争いは止めて、万が一にも暴力行為などは起きないようにしてほしいものです。