我が家のとっている新聞は熊本県の地方紙の熊本日日新聞であるということは何度か書いているかもしれません。
地方紙とは言え、県内の購読率は50%を越え、圧倒的なシェアを誇っています。
朝毎読日経 VS 地方紙のシェア争い:FACTA ONLINE
その熊日新聞の9月9日付の朝刊(朝刊しかありませんが)に掲載されていた、鎌田慧さんの「1強の決算」と題した随筆が非常に興味深いものでした。
ただし、熊日新聞では一応ネットでもサイトを開いていますが、そこには全記事を見るようにはなっていません。
特に、文化面の随筆などは上げる気もないようです。
先日も江川紹子さんの興味深い記事があったのですが、結局は見られないままでした。
全記事を見ることができる「ビューワー」というのもあるのですが、有料ですので簡単に見るわけにも行きません。
実にもったいない。
そんなわけで、鎌田さんの記事も全文を上げてしまうと著作権の問題も出そうですが、要約だけを紹介してみようと思います。
安倍政権について、その業績をたたえるなどといった記事を書く人間もいますが、さすがに鎌田さんはズバリと批判すべきところは批判しています。
7年8か月という長期政権になりましたが、その最初から執着していた憲法改正(正とは言えませんが)には結局何も近づけませんでした。
新型コロナの「歴史的な感染拡大」にはまったく指導力を発揮できませんでした。
それどころか、恐怖が広がっている最中に自宅でくつろぐ姿を流すという体たらくでした。
安倍一強と言われた長期政権が、閉塞感と社会的な暗さをもたらした理由も指摘しています。
それは、「意思決定のプロセスが不透明だったから」です。
鎌田さんは、この政権を「二人羽織首相」とか「コピペ首相」と呼んでいたそうです。
自分で強力に進めているようなポーズだけ取って、実際は裏の誰かの言う通りということです。
そこには、官邸に集められた経産省と警察庁出身のエリート官僚が居ました。
彼らの大企業中心、庶民生活を無視した「浅はかな入れ知恵がことさら首相の無力を引き立てた」と描写しています。
さらに「権力維持が最大のテーマ」となってしまいました。
河井案里事件では、身内優先、選挙区での公認権と資金配分を使った議員支配構造まで明らかにしました。
そして、内閣人事局を使った官僚支配で忖度、公文書偽造の横行、マスコミ支配を強化し批判骨抜き、内閣法制局長官人事への介入、検事総長人事の私物化など、独裁化を目指す動きを強めました。
私が批判した安倍政治のあれこれはもっと基本的な政策そのものでしたが、実際の政権運営自体にもこのような問題点が次々と現れたということでしょう。
この記事はまだ連載されるそうで、楽しみです。