現代の世界でいろいろな問題の原点となっているのが宗教ということがよくあるようです。
戦争や国際紛争を知るためにも宗教について知らなければ理解しにくいところがあります。
そのために、世界の宗教の中でも大きな位置を占めているイスラム教、キリスト教、ユダヤ教について、池上彰さんと増田ユリヤさんが対談も含め解説しています。
歴史教育に長年携わってきた増田さんが、各宗教の歴史的な経緯、池上さんが現代の状況と言うふうに分担しているようです。
したがって、イスラム教についていえば、ムハンマドが宗教を興して以来イスラム帝国の消長や文化などは増田さん、現代のイスラム過激派、イスラム国などの解説は池上さんが書いています。
ほぼ基本的な部分の知識が得られるように書かれているので、詳しいところまでは触れていませんが、ざっと読み進めればだいたい現代の宗教にまつわる問題の多くは理解しやすいでしょう。
ただし、この三大の「啓典の宗教」以外にはまったく触れていませんので、主なところでは仏教、ヒンドゥー教については除外されています。
まあ、これらはあまり紛争には関係ないものが多いので良いかも。(チベット仏教は除く)
イスラム過激派、エルサレムをめぐる三宗教の問題などは、やはりもう少し深い勉強が必要になるかもしれません。
アメリカで勢力を伸ばしているキリスト教原理主義についても触れられていませんが、これも問題を起こしそうです。