多数の検査と強力な隔離でCOVID-19の感染を抑え込んだかに見えた韓国ですが、強制封鎖を解除した途端に大規模な感染が発生したようです。
韓国政府が自らの対処に自信を持っていたようですので、危なく感じていましたが、やはりそうなったかというのが大抵の人が持つ感想でしょう。
しかし、これは対岸の火事ではなく、日本でもまったく同様の事態になりかねないということです。
どうもこの感染症は流行の最初から報じられる状況について、多くの疑問がありました。
1、無症状の感染者(しかしどうやらウイルスの排出はしている)も居れば急激に症状が悪化し重篤から死亡に至る患者も多い。
2、鼻腔粘膜や咽頭からサンプル採取しPCRでウイルス確認検査をしているが、捕捉率が低く70%程度と言われている。
3、(検査サンプリングの難しさのせいかもしれないが)検査陰性を2回連続すれば完治と見なされるが、それからしばらくして再発する患者が多くみられる。
どうやら典型的なウイルス感染症の様相とは異なるものがあるようです。
ウイルス感染症の感染からの経緯は次のようになります。
ウイルス感染 → 体内でウイルス増殖(まだ無症状) → 発症、ウイルス排出開始(他への感染が始まる) → 症状悪化(重篤化、死亡) あるいは軽症のまま → 徐々に体内に抗体を形成し、免疫力が高まる → ウイルスを徐々に殺していきやがてすべて排除し完治する
もちろんこれ以外の経緯を取るウイルスもあるようです。
しかし、どうもCOVID-19の場合、感染した人によってその症状がまったく違うのではないかという印象を持つようになりました。
ウイルスを大量に排出し他人に感染させているにもかかわらず、本人がまったく無症状というのは、困ったものですが本人にとっては痛くもかゆくもない事態です。
症状の重さは、基礎疾患という持病がある場合は激しくなると言われていますが、どうやらそれが無くても重症化する人も多いようです。
また、抗体形成しウイルスを完全に排除できるまでの期間が2週間と言われていますが、これもかなり長くかかる人もいるという疑いがあるようです。
抗体が十分にできない人がいるのでしょうか。
もしそうであれば、感染した場合はどれほど時間をおいてもウイルスが体内から無くなることは無く、他人への感染力が失われないままになるかもしれません。
韓国の失敗、(そして多分日本でも同様)の原因はこの辺にあるのでは。
さらに、検査の失敗が頻発するのは、ウイルスの存在場所が人によって異なるのでは。
鼻腔や咽喉からのサンプリングをしていますが、そこにウイルスが存在しないタイプの感染であれば、いくらPCRでも検出することはできません。
もしもこういった事実が存在するなら、検査のためのサンプリング自体を考え直す必要があります。
抗原確認の手法を使って高速化を計る検査法も開発されていますが、これでもサンプリングの方法が同様であるならば、現在の方法と同じような問題を抱えていることになります。
多くの症例では、想定内の症状と経緯をたどるのでしょうが、例外が多ければその対処も考えなければなりません。
まったく未知であったウイルスですが、徐々にその性質も分かりつつあります。
それがはっきりすれば、その対処法も変えていかなければならないでしょう。
くれぐれも油断なく、また慣れや慢心にも注意が必要でしょう。