爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

大津市保育園児事故から1年、運転に細心の注意を払うのは当然だが、道路構造の問題は。

滋賀県大津市の琵琶湖湾岸の道路の交差点で、右折車と直進車の事故に巻き込まれ散歩中だった保育園児が死傷するという痛ましい事故が起きてから1年が経ちました。

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ちょっと別の興味からその近辺の地図を見ていて驚きました。

あの道路は滋賀県の県道559号線、さざ波街道とか湖岸道路と呼ばれているそうですが、信号も少なくスピードが出やすいところのようです。

 

事故現場の付近、大津市大萱では道路は南北に延び、西側は琵琶湖があるばかり、東側一帯は大きな店舗などもあり、通行量はかなりあるような場所です。

 

事故現場の大萱6丁目交差点は、東側に行けば草津市中心部に向かうようで、多くの車がそこで曲がるということです。

 

そこの交差点から、南側へは「右折レーン」が延びているのですが、それがざっと170m。

よほど右折車が多いのだということが見て取れます。

 

事故の原因となった無理な右折をした女性ドライバーも、長く待たされたのでつい右折してしまったと語っていたようです。

 

「右折をする場合は直進車が無いことを確認」などと言うのは当たり前すぎるほどの常識ですが、さて、それだけで済む問題でしょうか。

 

右折車が多い交差点では赤信号に右向きの矢印が出る右折専用信号が付けられていることが多いのですが、その点灯時間は交差点によってかなりの差があるようです。

右折車が少ないところではほんの数秒ということもありますし、多いところでは10秒以上の場所もあります。

しかし、それでも限度があるでしょうし、1分以上も右折信号が出続けるということはないでしょう。

 

「170mの右折待ち車列」は果たして10秒や20秒の右折信号で片付くでしょうか。

おそらくせいぜい10台も行けばおしまい。

通行量の多い交差点では信号の変わるのを何回も待つことになります。

 

これは、信号の変わる隙をみて強引に信号無視しても右折してしまう車の続出にもつながります。

反対信号が青になっても平気で右折を続ける車はよく見られるところですが、さすがにそれは直接事故につながることは少ないでしょう。

しかし、交通道徳の低下という影響は大きいように思います。

 

こういった状況をなんとかしようとしても、せいぜい現実に取り得る方策は「右折信号の時間延長」程度のことでしょう。

しかし、これも程度問題で、あまり長い時間にするわけにもいかないでしょう。

 

「抜本的にはどうするか」

もちろん、一番抜本的な解決策は「無秩序な自動車使用はできないようにする」ですが、そこまで行けばちょっと浮世離れです。

次善の策は「問題のある交差点は立体交差とする」です。

これも浮世離れと言われそうですが。

交差点はすべて右折禁止とする。というのも一案ですが、この琵琶湖湾岸でやったらどこまでいっても元に戻れません。

とはいえ、放っておいて良い問題ではありません。

 

元々自動車が走ることを想定していなかった日本の町では、色々なところに問題が頻出しています。

ただ単にドライバーの注意だけを求めているだけでは混雑は解消せず、重大な事故も防げません。

しかし「道路構造の変換」をまともに考えている人はほとんどいないでしょう。

行政などがそれをやる力はなく、警察も取り締まりだけで精一杯。

大学などの研究者も少ないのではないでしょうか。

まだまだ自動車からは離れられないでしょうから、せめて頭を使っていきたいものです。