爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「再感染」か「再活性化」か、コロナウイルスの性状がまだ分からない。

中国は新規感染者が激減、アメリカやヨーロッパ各国も頭打ちになったとして、トランプなどは経済再開を口にする始末です。

 

本当に大丈夫なのでしょうか。

韓国では、一度陰性になった人がしばらくして再度陽性になるという例が報告されています。

 

こういった感染症の場合、まだ治療薬が存在しないとどういう展開をするのでしょうか。

 

まず、感染した人がほとんど死亡してしまい、それ以上は広がらないというものです。

これは、エボラ出血熱などの本来人間を対象としていないウイルスなどが当たります。

恐ろしいものですが、感染した人はそれ以上動き回ることもできず死亡してしまえばウイルスもそれ以上は生き残ることなくいったん終結します。

 

大多数の人々が感染し、重症化する人はあるもののほとんどの人は回復し自然免疫を獲得するという場合があります。

従来型のインフルエンザはそのような動向をたどります。

既に免疫を獲得している人もありますが、そうでない場合も罹患してそれに対する免疫ができればそれ以上は広がりません。

中国は厳しい封鎖で抑えたとしていますが、どうもこの例であるように思います。

ほとんどの人が感染し免疫を獲得したとすれば、それ以上はウイルス自体が変異しない限りは広がりません。

 

問題は、韓国や台湾のように厳しい人間間の接触を規制し抑え込んだ場合です。

罹患した人は免疫を獲得して回復するか、死亡するかしてしまえばそれ以上は広がらないはずですが、そこでもしもウイルスが残存していれば、他の大多数の人はまだ免疫を持っていないので接触再開した場合にまた感染拡大が起きる危険性があります。

 

それは韓国当局も理解しているはずで、だからこそでしょうが、再感染例を注視しているものと見られます。

toyokeizai.netこの解説にもあるように、「再感染」はほとんどありえないものでしょう。

問題は、「再活性化」があり得るかどうか。

つまり免疫が獲得されウイルスもほとんど消えるものの、若干残存しておりそれが何らかの時期に活動し始めるということがあるかどうかです。

これは韓国の研究者も危惧しているものの、今のところは確認されていないようです。

 

おそらく、一番ありそうなのは「検体採取のばらつき」でしょう。

初期の頃からPCR検査自体の感度は高いものの、採取した検体の中にウイルスが含まれていないということが多いようで、その場合は実際は感染していても陰性となる、「偽陰性」です。

これが繰り返されて回復したと認められても、その後の検査でうまくウイルスを補足できた場合は陽性となることになります。

 

これが真実であれば、一応陰性となってもまだしばらくは感染している危険性があるものとして接触制限を続けていけばやがて真の陰性になり大丈夫ということになるでしょう。

 

さて、いささか拙速でしょうが、大統領選に向けて焦りのあるトランプは経済再開を目指していますがどうでしょう。

おそらくニューヨークなどではすでに感染爆発しており、多くの人にすでに自然免疫が獲得されているでしょう。

これ以上感染者拡大が続かなければもう何をやっても大丈夫ということになるのかもしれません。

問題は、今のところそれほど感染者の出ていない地方で、こういったところではまだ頻繁に感染拡大が起きるのではないでしょうか。

 

まだまだ新型コロナウイルスは分からないことが多いようです。

注意してあたるべきでしょうが、実際は東京や大阪などではすでに感染して回復した人が相当数いるのかもしれません。

こういった場所ではこれ以上の拡大は起きないかもしれませんが、日本もアメリカ同様これまで感染者の少なかった地方で感染者が急増するという事態は今後も頻発するかもしれません。

それが起きるたびに都市封鎖に近いことをやっていくのか。

経済の落ち込みは相当なものになるでしょう。

どちらが怖いものでしょうか。