これまでは「中止も延期も全く考えていない」というのが公式発言だったようなのが、一気に「延期」論が責任ある立場の人達から続出しています。
まあ、普通に考えればもう無理と言うのは明らかだったんでしょうが、「立場上」言うわけには行かなかった人々が、どこからかゴーサインが出たので安心して言い始めたんでしょう。
構造から考えると、一番の責任者と言えるIOC、バッハ会長がどうしても自分からは言いたくなかったのが、海外の選手団体や各国のオリンピック委員会から延期論が噴出してきたので、「仕方なく受け入れた」形にできるということになって、喜んで延期論に転換。
それを待ち望んでいた安倍首相がこれも喜んで「完全な形で開きたいから延期」を口にすると、それに連なる連中も喜んで「延期」を言い出す。
まったく、人は皆「立場」で話をしなければならないとはいえ、これまでの数日間は皆さん針のむしろに座った状態だったのでしょう。
私もかつては企業の中間管理職として立場で話をしなければならないことがあり、苦しい思いもしていましたので、気持ちはよく分かります。
本当は延期の実施条件なども必死で考えているにも関わらず、外向けには「まったく考えてもいません」などと言わなければならないのは苦しかったでしょう。
しかし、他人のことを批判したらだめだろう。
山下君あんたのことだ。
山口香がJOC理事の立場も考えず、延期論を公表したのに対し、厳しく批判しちゃいました。
これに対しJOCの山下泰裕会長は不快感を表明したということです。
おそらく、JOC理事ということ以上に、柔道界出身の後輩だからという意識も強かったのでしょうが、それでも会長としての意見は公式のものになってしまうのですから、発言は慎重にすべきでした。
馬鹿の一つ覚えのように「完全な形でなければ開かない」と繰り返しておくだけにしておけばよかった。
とはいえ、色々な報道によれば延期と一口で言っても相当な問題が山積みのようです。
費用もさらに大幅に追加されることになります。
「中止はまったく考えていない」ということはバッハ以下全員が口をそろえていますが、本当に延期してできるのか。
1年延期したところで本当に新型肺炎が終息しているかも不明です。
いっそのこと「4年延期」(=一回休み)にしたら。