爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「テロ対策設備の対応遅れで九州電力川内原発運転停止」それにしても「テロ対策設備」ってなんだろ

九州電力川内原発が、「テロ対策設備の完成が遅れ」たために現在まで運転中であったのが設備完成まで停止せざるを得なくなったということです。

www.asahi.com

福島原発事故を受け、原発の運転に不安要素となる様々の事態に対応する施策を行うことが必要となり、その認可を受けて運転再開したはずですが、その工事が遅れたということはやはり見通しが甘かったということでしょう。

 

それにしても「テロ対策施設」って何?

 

地震津波で被害を受けた福島原発ですが、それ以上に危険が考えられたのが「テロ」です。

私も当時、「北朝鮮が決死隊を送り込めばメルトダウンまで起こさせるのも可能では」と考えていました。

詳細は明らかにしませんが(真似されたら困るので)、軍事素人の私が考えてもあの福島原発事故を思えばそれをほど難しいものではないと思えるものでした。

 

さて、それでその対策として何をしようと言うのか。

想定される「テロ」には、軍事部隊突入の他にも「航空機による突入」も考えられています。

これは、あの911アメリカでのテロを考えているのでしょう。

 

原子力文化財団という、おそらく電力会社関係団体の作っている資料があります。

www.jaero.or.jpやはり弱点は冷却設備とコントロール設備、そこを複数化して分散して設置。

さらに航空機突入にも耐えられるほどに強化といったところでしょうか。

また、警察の警備も増強。

 

とはいえ、ここに本当のことをすべて書いているとは思えませんので、隠し玉も相当ありそうです。

 

さて、これで大丈夫と言えるかどうか。

もちろん、「絶対大丈夫」などということがあるはずはありません。

冗談のような「数万年に一度のカルデラ火山噴火」が起きれば原発も破壊されるのは間違いありません。

もちろん、それ以前に周辺を含めてすべてが焦土と化しているでしょうが。

さらに、「航空機テロ」程度なら何とか持ちこたえても、「弾道ミサイル」それも「核弾頭付き」ならこれも何をしても破壊されるでしょう。

「数名のテロ集団」なら撃退できても、「北朝鮮正規軍1部隊」を防ぐことはすぐには不可能です。(何日かの間には自衛隊が集結できても、それまでの間に原発は暴走を始めるでしょう)

 

だから、こんな対策をいくらやってもしょうがないとは言えません。

事故の起きる確率を、0.1%から0.01%に下げるだけでも実際に事故が起きるかどうかには大差があります。

本来は、それが嫌なら電力に過度に依存しない社会に変えなければならないところであり、それを考えない「原発反対運動」は成り立ちません。

原発は確かに危ない、怖い。

しかし、それを何とかしようとするためには、自分たちの生活を変える勇気を持たなければいけません。