爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

社民党が「有機農産物を給食に」という政策提言。なんでこんな時期にこんなことを。

NHKニュースでそんなことを言っていました。

新型コロナウイルス感染が広がり、国会ではあいも変わらず与党の不誠実答弁が続く中、なんでそんな呑気なことを言うのだろうと少し不思議に思いました。

 

ニュースの記事は引用してもすぐに消えてしまうので、中身をコピーしておきます。

NHKニュースサイトより)

社民 学校給食に地元の有機農産物の導入を 政策提言検討

社民党は、学校給食に地元産の有機農産物を積極的に導入することを目指してプロジェクトチームを立ち上げ、政府への政策提言などを検討することになりました。

社民党は小中学校の給食の質を高めて子どもたちの健全な発育につなげようと、食材に地元産の有機農産物を積極的に導入することを目指して、新たにプロジェクトチームを立ち上げました。

チームではすべての公立の小中学校の給食に地元の有機米を使っている千葉県いすみ市など、先進的な取り組みを視察し、食を通じた教育の成果が出ているかや、農家の所得が向上しているかなどを調査することにしています。

そして視察の結果などを踏まえ、政府に政策を提言したり、ほかの党にも呼びかけて法整備を進めたりすることを検討します。

又市党首は「地元の有機農産物が給食に使われることで生産者の活性化と、子どもたちの食育につながる。有機食材の活用を拡充できるような政策を進めたい」と述べています。

 

有機農産物はヨーロッパでは広がっていますが日本では全く伸びず、生産者もコストが高く売値も上がるために売れ行きが伸びないと焦りがあるのでしょうか。

給食を狙うという戦術に出て親心を揺すぶろうということです。

 

上記記事の中で、社民党の意図として「給食の質を高めて子どもたちの健全な発育につなげる」という文があります。

ここに有機農産物というものについての大きな錯覚があるようです。

 

有機農業というものは、農薬や化学肥料を使わずに行うということで、農地の雑草や昆虫を排除せずにできるだけ自然の生態系に近いところで生産物を作り出すという意味が最大のものです。

しかしこういった農法ではどうしても生産量は低く、生産物の価格も上昇します。

生態系を守る(ただし部分的に)ということに大きな価値を置く人にとってはその程度の価格上昇は認められるということなのですが、それ以外の人にとっては値段が上がるだけとも見えるものです。

 

そこで、農薬の健康被害を過剰に言い立てたり、無農薬で栄養価が上がるとしたり、味が良いと言ったりと、根拠の薄い主張で少しでも売れるように図るわけです。

 

さらに、「地元の有機農産物」と「地元」に限定することで、生産者へも色目を使い賛同者を増やしたいという思惑でしょうか。

「良い有機農産物」でしたら生産地はどこでも良いでしょうし、なによりちゃんとした有機農産物を学校給食用に安定的に供給できる生産者がどこにでもあるわけではないでしょう。

 

もはや消えそうな社民党ですから、なにか他の政党とは違う主張を見せつけたいのかもしれませんが、やはり消えそうな状況には変わらないでしょう。