OECDが加盟国を中心に実施している学力調査(PISA)で、日本の15歳の読解力が急落し前回(2015年)の8位から15位になったそうです。
かなりの衝撃だったためか、新聞でも大きな扱い、テレビでも報道されました。
headlines.yahoo.co.jp今回から出題がパソコンを使って行われたため、パソコン使用の授業がほとんどない日本が不利だったなどと言う、的外れな解析をした関係者もいたそうですが、もちろんそんなことよりも大事な要素があります。
文句なしに、「読書習慣の減少」が理由でしょう。
このPISAは、OECD関係国が対象ということで、先進国内だけの話になりますが、かつては「ゆとり教育」のせいで順位が落ちたとして、ゆとり教育からの転換につながったということもあります。
今回も、これで衝撃を受けて「読書重視」に変わればまだよいのかもしれませんが、どうせそうはならないでしょう。
PISAの試験内容は、単純な知識の記憶だけでどうなるものでもないのに、「ゆとり教育」攻撃に使われ、逆に「詰め込み教育」復活につなげるという、理屈に合わない変更に利用されてしまいました。
今回もどうなることやら。
読書習慣の減少というのは、受験エリートにも少なからず降りかかっているはずです。
現在の受験は、予備校などの受験対策プロたちの解析がどんどんと進み、数学ですら問題の分析と解法のパターン化によって暗記科目化しているようです。
暗記することばかりが増え、ポイントの定まらない読書などに使える時間は減る一方でしょう。
しかも、文章読解に技術と感性が必要な小説などの高度な文章は使えなくなり、IT機器の使用説明書を読むような訓練しかしなくなっています。
含意がそこら中にちりばめられ、布石と隠喩がふんだんに配置されるような高度な文学的文章を読まずに、読解力が進むはずもありません。
外国人労働者に日本語を教える程度のレベルのものしか、日本人生徒に与えていないのならば、高度な読解力はどっかい行ってしまうのかもしれません。
(高度なダジャレも交えてみました)