これまでにも、文章をおかべたかしさんが書き、山出高士さんの写真を配す「くらべる」シリーズは何冊か読みました。
今回は、「同じような品物だけれど値段が違うもの」を並べて比べようというものです。
ただし、とは言っても「高級品」と「安物」を並べて出して、どっちが高いかを見分けさせるといった、例のテレビ番組のような内容ではなく、あくまでもきちんとその値段の高低の理由もはっきりとしているものであり、何より、高低両方とも同じ店・メーカーのもので構成しています。
そのため、比較といっても今ひとつインパクトに欠けるというところはあります。
まあ、面白くするなら見たところはほとんど変わらないが値段は桁違いといったものを出した方が良いのでしょうが、それをするには山出さんの写真は少し上品過ぎるのでしょう。
といったわけで、あまり差は無い中で値段が大きく違った例をいくつか。
羽毛布団で、5万円のものと50万円のもの。
「東京西川」の製品ですので、どちらにしても良いものでしょうが、5万円のものに使われている羽毛は「グース」つまりガチョウの羽毛。
50万円のものに使われているのは「マザーグース」、同じガチョウでも親鳥になるまで飼育してから取ったものだそうで、それに費用がかかるので高いそうです。
「マザーグース」というのが鳥の名前だということも新発見。
かまぼこは、小田原の鈴廣のものですが、普通品の1本300円のものと、特別品の1本3600円のものが紹介されています。
鈴廣でも一般品は機械製造ですが、特別品は国家資格保有の職人の手作りとか。
形も手作りでこその扇の形ですが、食感が一段とよろしいようで。
日本橋にある有名寿司店、「蛇の市本店」という店の寿司、2000円のものと5000円のものの比較です。
私にとっては2000円の寿司も十分すぎるほどの高級品ですが。
同じ店で値段が違うものといえば、やはりネタの違いだそうです。
マグロは蓄養物と天然ものの違い、エビはブラックタイガーと車海老、光り物はスルメイカとスミイカ、玉子も前者はだし巻き卵、後者は厚焼き玉子なんだそうです。
まあ、金に困らぬ身の上にもしもなることができたら、その一味違う高級品も試してみたいものですが。