ガラパゴス化現象といえば、日本の特殊事情でグローバル化とは逆行する形に商品などが進化してしまい、世界に売れないという困った?事態のことですが、この本ではそれを正面から扱うわけではありません。
コラムニストとして有名な小田嶋さんが、CMプランナーの岡さんと様々なお題で対談(放談と言った方が良いかも)したという内容です。
岡さんは、電通でサントリーの「BOSS」や「南アルプスの天然水」、JR東日本の「その先の日本へ」などの時代を代表するキャンペーンを手掛けてきたという方ですが、実は小田嶋さんとは都立小石川高校で同窓、その後も早稲田大学に一緒に進むという、高校時代からの腐れ縁という間柄だそうです。
したがって、対談の中身も学生時代の思い出も交えてのものとなっています。
一応、対談のタネは読者からの質問という形のものを最初に示し、それについて話していくという様子で進みます。
「アメリカ人に勝つためには、どうしたらいいでしょう?」
「才能とはなんのことでしょうか?」
「自分のなかの女々しさとどう折り合えばいいですか?」
といったものについて語ることになっているのですが、途中からあちこちに脱線しっぱなしということなります。
第1話の「アメリカ人・・・」の話では、岡さんが電通時代にニューヨークでの撮影にでかけ、そこで床屋に行こうとしてヴィダルサスーンのところでやってもらったら、その従業員がいい加減な奴で耳を切られてしまったという話の披露に進みます。
それでもカット代はちゃんと取られたとか。
今思えばそれで訴訟を起こせば100万ドルぐらいは取れたかどうか。
といった話に進みます。
途中で元プロ野球選手のT氏について、あれこれと語りだすのですが、その次の回にはご当人の「高木豊」氏が対談に登場という面白い展開にもなります。
T氏は現役時代は理性的なプレースタイルだったのですが、子供がサッカーをやり始めその試合を見に行って、最後に自分でシュートせずに仲間にパスを出したプレーが気に食わず、あとで子供に怒りまくったということです。
プロを目指すなら、自分が目立つようなプレーをしなければならないということだから。
まあ、気楽な対談の記録というのも読みやすいものですが、なかなか内容は濃いものでした。