「人工孵化させたウナギ稚魚が成魚に育った」という記事が出ていました。
こういった記事は、ともすれば誇張されて書かれていることもあり、実際はまだ関門が多いということもあるのですが、今回は確かな情報のようです。
この件については、以前に解説された本を読み、まだ完全養殖には相当なハードルがあると感じていましたので、意外に早く成功したものと感じます。
この本を書かれたのが国立研究開発法人水産研究・教育機構のメンバーであり、著者の一人の田中秀樹さんが、ニュースの中にも登場していますので、確かな話なのでしょう。
上記の本の段階(2012年発行)では、養殖ではほとんどオスしか育たないとか、性的成熟には達しないといったことが書かれていましたが、それがクリアされ成熟卵と精子が得られたということなのでしょう。
稚魚が得られればその後の養殖は通常通りでしょうから、容易に進められるでしょう。
ただし、記事中にもあるようにメス化や性的成熟を進めるためにはホルモンなどを与える等かなりの手間と費用がかかるようで、コストが下げられるかどうかが課題となりそうです。
まあ、まだ「一応成功、不可能ではないことがわかった」程度の段階というべきでしょうか。
生きている間に完全養殖ウナギを安く食べられるかどうか、微妙なところかもしれません。