爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

韓国の福島産水産物輸入禁止措置をWTOが認める

福島原発事故以降、韓国は福島県などの水産物の輸入を禁止していますが、これは不当としてWTOに日本が提訴していた件につき、日本の敗訴が決まりました。

headlines.yahoo.co.jp

日本側はこれまで継続して実施している放射能検査の結果から韓国の輸入禁止措置は認められないとしたのですが、WTOは【上級委は「パネルは製品サンプル中の(放射性物質の)実測値のみに基づいて安全性を調査している」として議論の過程に問題があったとの見解を示した。さらに「WTOでは食品の安全性について科学的証拠が不十分な場合、暫定的に規制を認めている」との韓国の主張に対し、日本は反論しなかったとも指摘した。】と判定しました。

 

もちろん、現在の水産物放射能レベルが危険ということではなく、手続き上の問題なのでしょうが、日本としては痛手となったということです。

 

WTO主張の前半は少しわかりにくいものですが、「製品サンプルの放射性物質実測値のみに基づいて安全と判断している」ということは、統計的なサンプル抽出だけでは判断できないということでしょうか。

確かに、まったくランダムな分布のものからサンプル抽出を行なうなら一定の割合の抽出で十分ですが、海中でもしも放射性物質の分布が偏在しているということがあれば、ランダムとはみなせないということになります。

 

さらに、後半部の「韓国主張に対し日本側は反論しなかった」ということは何事でしょうか。

少なくとも相手方主張はすべて反論しておくべきなのは当然かと思いますが、油断はなかったのでしょうか。

 

まあ、実害はそれほど無いのかもしれませんが、印象だけでもまずいこととなりました。