「南ドイツ新聞」というドイツの有力新聞で、「良心の相談室」というコラムを連載している著者が、その内容をまとめて倫理学というものに触れることができるような内容にしたというものです。
ただし、一問一答式で並べるといったよくあるような形式ではなく、ドイツのある家族を舞台にそこの子供の少年と姉が主におじさん(ゴットフリートと言う名前)に悩みを相談していくといった物語風の味付けにしてあります。
おそらく、倫理学などと言われると難しそうで読むには抵抗感があるような人にも読んでもらおうと思ってのことでしょうが、どうでしょう。
物語風ではありますが、その中にどんどんと飛び込んでくる倫理学用語はかなりの程度のもので、少年少女程度では歯がたたないのでは。
親が読んで子供と話し合うなどということも、この本の中の家族と同様、始めると一発で親に反感を抱きそうです。
結局、誰に読ませたいのかはっきりしないものになっているのではないでしょうか。
内容は、道徳について、法律は守らなければならないのか、といったものから、最終章では環境倫理学に至るまで、大まかながら倫理学の全体を見渡すことができるようになっています。
倫理というものを若い人にも興味をもたせると言うことを狙ったのでしょうが、ちょっと企画倒れだったかも。
なぜウソをついちゃいけないの?―ゴットフリートおじさんの倫理教室
- 作者: ライナーエアリンガー,Rainer Erlinger,高本教之,犬飼彩乃
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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