この本に書かれている内容は、あまり実用性はないようです。
ただし、日本国内においては。
世界ではこういった知識が必須の場所も多く、アメリカでも多くの一般人が武器を所有しいつでも使えるようにしています。
本書は日本語で書かれていますので、日本人向けということなのでしょうが、役に立ちそうなのは警察、自衛隊と暴力団関係者くらいでしょうか。
しかし、海外で生活しようとする人にとっては知っておくべきことなのかもしれません。
あと一つ、本書を読んでの効用が分かりました。
映画や小説など、銃撃戦(ガンファイト)を描いた場面は日本でも頻繁に目にしますが、「あんなのウソやで、ほんまのことはこの本に書いてある」と言えるという効果がありそうです。
そもそも、銃の種類とその特徴ということも、ほとんど分かっていません。
軍隊用途ではなく、一般人でも所有できる(日本の話ではありません。アメリカなど)銃の種類というと、拳銃(オート・リボルバー)とライフル、ショットガンといったところでしょうか。
これらの銃に用いる銃弾の種類もまったく異なるということも知りませんでした。
45口径とか、9mmパラベラムとか、かろうじて名前だけは聞いたことのあるようなのが、拳銃弾。
それに対して、ライフル弾は5.66mmとか7.62mmと口径だけは拳銃弾と大差がないようですが、発射薬(火薬)の量と種類が異なり、非常に強力なのだそうです。
そのため、拳銃弾には有効な防弾チョッキやバリケードなどもライフルには無効なのだそうです。
銃には安全装置というものがあり、それを解除しなければ発射できないということも、一応話には聞いていますが、実際に見たこともなければ、どのように操作するかもはっきりとは知りません。
銃の種類により様々な安全装置があり、何種類も組み合わせていることもあるようです。
銃で脅されていた人が、相手の隙をついて銃を奪って、相手に向けて構えても「へへへ、安全装置の外し方も分からねえのか。」と笑われて銃と掴まれるという、ドラマでお馴染みの場面です。
銃で撃たれた人間がどのようになるのかというのも、映画と実際では違う場合もあります。
撃たれた瞬間に血が吹き出るということも、まずありえないことのようです。
また、撃たれた衝撃で身体が吹き飛ぶということも、よほど近距離からの直撃でなければないようで、静かに崩れ落ちるというのが本当だとか。
銃を撃ったときの反動の強さというのは大きな問題で、下手をすると撃った人間が負傷するということもあり得ることですし、狙った場所に当たらないということにもなります。
それを解消するために、銃弾自体に燃料を仕込んだ「ジャイロジェット・ピストル」というものが開発されたそうです。
ほとんど無反動で、発射直後から弾そのものが加速するというものですが、徐々にスピードを上げるために最高速度に達するまである程度の時間がかかり、近距離では使い物にならなかったとか。
敵に捕まってしまったけれど、なんとか逃れるということは映画ではよくある状況ですが、そこで敵の武器を奪って使うということもありそうです。
しかし、銃を奪っても忘れてはいけないのが銃弾で、かなりの量を一緒に奪わないとなんの役にも立ちません。
しかも、長期間使われていない銃や、整備不良の銃を奪った場合、引き金を引いた瞬間に暴発という危険性も高い上に、「わざと罠を仕掛けた銃を置いておく」場合もあるとか。
その場合は使った瞬間に確実に生命を落とします。
自動車を使った銃撃戦のシーンなどで、燃料タンクを狙って撃って当たったら爆発という場面もよく見かけますが、これも実際はほとんど起こりえない状況のようです。
銃弾というのは通常は「鉛を銅で包み込んだ」だけの金属の塊ですので、これがガソリンなどに当たったとしても発火はしません。
燃料タンクに無数の穴を開け、漏れ出したガソリンがどこかの配線の火花によって引火ということはあるかもしれませんが、相当時間はかかりそうです。
ただし、ライフルで「徹甲弾」や「曳光弾」といった特殊な銃弾を命中させればそのような効果を生み出すこともできるそうです。
図解 ガンファイト (F-Files No.034) (F‐Files)
- 作者: 大波篤司
- 出版社/メーカー: 新紀元社
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また要らない知識を増やしてしまった。