FOOCOM.NETの瀬古博子さんの記事で、山梨県の保育所でヒスタミン中毒が発生したというものです。
ニュースの速報では、園児が集団でアレルギー症状と言うことだったので、瀬古さんは
おそらくヒスタミン中毒と予想できたのですが、その後の続報でそれが確認されました。
良い機会?なのでヒスタミン食中毒について解説しておきます。
ヒスタミンは、必須アミノ酸でもあるヒスチジンが微生物によって変換されてできます。(ヒスチジンは栄養補給の健康食品として販売もされています)
ヒスチジンは多くの食品に含まれていますが、特に多いのが赤身の魚と言うことで、記事にあるようにマグロなどは一番危ないということでしょう。
ヒスタミン中毒は、なぜか子供に多いそうです。
今回も、保育所の保育士なども食べていたのに、大人では発症したのは数名でほとんどが園児だったようです。
なお、ヒスタミンを作り出す細菌はいろいろなものが知られているようですが、これについての研究報告がありました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsfm1994/21/3/21_3_216/_pdf
それによると、通常はMorganellaやHafniaなどの腸内細菌群が生産すると言われていますが、この論文の著者はPhotobacteriumと言う海洋細菌がヒスタミン産生力が強いことを見出したそうです。
いずれにせよ、生魚の腸管内やエラなどにこういったヒスタミン生産菌が含まれていた場合に、常温で長く置かれると活動が活発化してヒスタミンを作り出すということです。
なお、ヒスタミンは一度できてしまうと加熱しても壊れず、調理後も残ってしまいます。
マグロやサバなど、魚を温度の高い状態で放置することはないようにしたいものです。