数日前に栄養疫学の佐々木敏教授のインタビュー記事が載っていたので紹介しました。
その続編が出ました。
wedge.ismedia.jpやはり、WEDGE infinityというところです。
今回の話題は、和食の評価について、特にユネスコの世界無形遺産に登録されたということを拡大解釈して、「健康にも良い」と強調している風潮について批判しています。
そして、佐々木教授が開発された食事内容の評価法としてのBDHQ、「個々人の食生活を把握できる調査法BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票:brief-type self-administered diet history questionnaire)」についても紹介されています。
記事中ではインタビュワーの松永和紀さんの発言として、
「ユネスコの和食紹介のページには健康についての文言は一切ないのに、日本の農水省の公式ウェブサイトでは、”健康的な栄養バランス”ということが付け加えられている」とあります。
特に問題なのは、食塩過剰というところであり、佐々木教授の研究室の朝倉敬子さんという方が発表された論文に、「尿中の塩分量を測定して摂取食塩量を推定した」という研究があったのですが、それによれば男性で1日14g、女性で11.8gの食塩摂取量がありました。
これは、自己申告の摂食量から推定された食塩摂取量の、それぞれ11g、9gと比べてかなり多量側にずれた値となっています。
自己申告量から推定された食塩摂取量で、最近は日本人の食塩摂取も減ってきたと考えていただけに、この差は非常に大きな意味を持っています。
また、時折出てくる「減塩には意味がない」といった一応は医者や研究者という資格を持つ人々の話ですが、これも相当怪しい経緯のある場合が多いようで、科学的にはほぼ否定されるものだそうです。
同様に、「味噌の塩なら大丈夫」ということも言われますが、これも科学的根拠はありません。
もう一点の、佐々木さんの開発されたBDHQですが、1ヶ月に食べた食品の種類とその頻度を思い出して書くというもので、15分程度の時間で記入できます。
もちろん、正確さには欠けますが、個人の食生活の傾向を知り、その栄養的な問題点を知ることができるという意味では有益なものだそうです。
会社などの定期検診に取り入れても良いのではないかということです。
このような自分の食生活の問題点を知ろうともせずに、サプリに頼るというのが現代人の悪癖です。
BDHQ,なかなか興味深いものかもしれません。