爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「正しく理解する気候の科学」中島映至、田近英一著

地球温暖化ということをめぐっては、多くの論争がされていますが、公式にはIPCCの見解を日本政府も採用していることになっています。

 

この本は、東京大学のお二人が地球環境について古代の歴史からごく近い時代の変動まで、様々な面から解き明かしています。

二酸化炭素などの温室効果ガスの増加は確実に起きており、それに伴う温度上昇も起きているという立場ですが、それ以外の気候変動要因も否定はしていません。

しかし、そういった変動があるとしても、温室効果ガス増加による温度上昇は気候変動に影響があるということです。

 

人類の文明が栄えたこの1万年という時代は、確かに地球気候としては例外的に温和な気候でした。

穏やかなと言わなければならないのですが、温暖期と寒冷期が繰り返し訪れましたが、さほど大きな影響はなかったのです。

過去100万年で捉えればもっと大きな気候の変動が起きています。

さらに、数億年規模で捉えれば、さらに大きな気候変動、例えば全球凍結や大規模な温暖化も起きています。

 

しかし、人類の行動に原因があるこの気温数度の変動は、その影響が人類の社会という極めて温度に敏感なものに直接当たってくるために問題であるということです。

 

もちろん、まだ不確実な問題は数多くあり、どのようになるか分かりません。

しかし、するべき対策はしておくことだということでしょう。

 

正しく理解する気候の科学 ~論争の原点にたち帰る (知りたい! サイエンス)

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