中国は経済成長の勢いが止まるとか、アメリカとの貿易戦争で敗れるとか、様々なことが言われていますが、少し前の出版ですが、本書では副島さんは自信を持って中国は今後も経済成長を続け、世界の覇権を取るだろうと断言しています。
尖閣諸島などの問題で日本と中国の関係を悪化させているのも、アメリカの戦略の一つであり、それに乗ってしまうのは極めて危険であり愚かであるとしています。
この本が出る前年、アメリカの前政権の高官であった、リチャード・アーミテージ、ジョゼフ・ナイ、カート・キャンベルが中国を訪れ、尖閣問題を仲介してやろうと持ちかけたそうですが、中国は門前払いしたそうです。
しかし、日本では相変わらずアメリカの高官扱いで当時の野田首相、その後の安倍首相もご意見拝聴をしたとか。
紛争を調停と言いながら、実際は波風の無いところに立てているのがこの連中だそうで、それはヒラリークリントンの意図によるものだそうです。
2012年当時は、中国では多くの不動産が売れ残り、バブル崩壊かと言われていたのですが、その後はその兆しもなく回復しているようです。
この要因は、中国ではかつての一人っ子政策から脱却し、人口増加に転じたためとか。
それが成長につながるからということです。
これは私には極めて危険な兆候のように見えます。
人口が増えれば経済成長というのは事実でしょうが、それは将来に大きな禍根を残すでしょう。
最後に、尖閣問題についての原則論が書かれています。
尖閣諸島の帰属は、すべて第2次大戦末期のカイロ会談、ヤルタ・ポツダム宣言によって決められており、それ以外の根拠は無いということです。
そして、日清戦争の勝利で得た台湾、澎湖諸島は、このときに中国に戻されたのであるから、尖閣諸島もこれに含まれるということです。
なお、アメリカはその後も尖閣諸島の施政権を保有していましたが、沖縄の施政権返還時に尖閣諸島の施政権も日本に移しました。
しかし、施政権というのはあくまでも所有権ではないということです。
まだまだ中国の成長は続き、世界の覇権も中国に行くということですが、どうでしょうか。