ポピュリズムとは、「大衆迎合主義」とも訳されるように、あまり好意的な意味では使われていません。
賀茂川耕助さんのブログでも、「トランプ氏が大統領になった頃から目にするようになった」としている通り、トランプがポピュリズムそのもののように言われています。
kamogawakosuke.infoただし、賀茂川さんの論点の面白いのは、ポピュリズムに対するものは何かということを評することです。
ポピュリズムに対抗する概念は「民主主義」、ただし、アメリカの民主主義は「金権主義」であるということです。
アメリカの選挙は金が無ければ戦えません。そして、その資金の最大のスポンサーは富裕層と、軍需産業につながる大企業であるということです。
選んでくれた有権者のためでなく、スポンサーの意に沿う政治ばかりをやってきたのがこれまでのアメリカの既成政党であるということです。
それにようやく疑いを持ち始めたアメリカの有権者たちは、その既成権力者層に対抗すると称しているトランプを支持した。
こういった動きはヨーロッパでも同様です。
移民排斥などの主張をする右翼政党が支持を伸ばしているのは、ポピュリズムかもしれませんが、それまでの政治権力は富裕層、大企業の代弁者であったのはアメリカ同様でした。
賀茂川さんの主張は、ポピュリズムを単に非難するということではありません。
表面では国民のためと言いながら、富裕層や大企業のための政治ばかりをしてきた既成政党への批判をしながらということです。
現在の日本の政治権力も、欧米に負けず劣らずの金権主義で、大企業のためだけの政治を続けています。
これに、いつ日本の有権者が気がつくのか。ポピュリズムの入り込む隙間も大きくなってきているようです。