パソコン興隆期の有名人で、日本マイクロソフトの社長を務めておられた成毛さんですが、2000年に社長を退かれたあとはあまりお名前を目にしてはいなかったようです。
その後は投資コンサルタントをされているそうですが、それとともに、「読書」を奨める活動をされているようで、これまでにもその方向の本を何冊も出版されているとか。
岩波新書から「面白い本」という、読書を奨める本を出版、その後続編として出されたのがこの「もっと面白い本」ということです。
いろいろなコンセプトのテーマごとに、推薦する本を紹介するというもので、私も細々と真似をしている書評書きをずらっと集めて本にしたと言うものです。
前作とはコンセプトを少し変えたということですが、本書では「人間」「宇宙」「歴史」「芸術」「科学」といったものを取り上げています。
1冊あたりの紹介文はせいぜい2ページ、しかしコンパクトながらその本の面白さは十分に伝わるように描かれています。
しかし、数えてはいないので正確には分かりませんが数十冊の本が紹介されていながら、私が読んだことのある本が1冊も入っていないというのは衝撃でした。
読書傾向がまったく噛み合わない。
まあ、どちらが偏っているかといえば私の方でしょう。
中で一つ、非常に興味深いが、自分では絶対にすすんで読もうとはしない本について。
小林凛さんという方の書いた「ランドセル俳人の五七五、いじめられ行きたし行けぬ春の雨 11歳不登校の少年、生きる希望は俳句を詠むこと」というものです。
低体重出生児で水頭症の疑いもあるということで、ハンデのある子どもが、小学校でいじめを受け、学校には行けなくなったがそれやこれやについて、俳句を詠むというものです。
俳句も紹介されていますが、優れたものです。
まあ、考えるべき内容で、文章も優れたものなんでしょうが、まず読もうとは思わないのが普段の私の読書傾向です。
他も読むに値する優れた本ばかりの紹介のようです。
と書きながらも、なにか心に引っかかるものが感じられるのですが。