カジノ法案成立をめぐり、推進派の自民党と、カッコだけ慎重派の公明党とが、日本人入場料6000円とすることで合意したそうです。
海外からの観光客などは入場無料で、それで落ちる金が目当てということですが、そう上手く行くかどうかは分かりません。
危惧されているのは、ギャンブル依存症の人々がさらに増えるのではないかということです。
依存症であるとみなされる人の数は調査によって異なりますが、5%に上るという結果もあるとか。3%程度という数値もありますが、いずれにせよ欧米諸国が1%程度とされているのに比べて日本はかなり高いのは間違いなさそうです。
日本の場合、カジノはまだありませんので公営賭博の競馬競輪等と、隠れ賭博のパチンコでしょうが、そのような手間のかかる賭博に比べてカジノになるとすぐに多額の負けになる危険性があります。
(パチンコで1日100万負けるということはあまり考えられません)
金儲けだけを考えるという、現代日本の病根があらわに出ているような問題だと言えるでしょう。
さて、「カジノ資本主義」という言葉をご存知でしょうか。
スーザン・ストレンジが1986年に書いた著書からその言葉が始まりましたが、現代の投資市場中心の資本主義はまさに「カジノ」同然であるということです。
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20180405072204.pdf?id=ART0010102890
それも、まったく公正とは言えないものですから、本当のカジノのほうがはるかにマシかもしれません。
工業生産などを実施するための投資とそこからの利益を得るという、これまでの資本主義が産業資本主義ならば、現代の強力な金融主導の資本主義はまさにカジノ資本主義と呼ぶにふさわしいものでしょう。
カジノ資本主義全盛の現代に、本物のカジノが開業するかどうか。
百鬼夜行と呼ぶべきでしょう。