著者の都出さんは、考古学者で「前方後円墳体制論」という初期国家論を提唱されている方ということです。
どうも古墳の形式の伝播を見ていけば当時の体制が理解できるという主張のようですが、それを調べていると本書の記載について強烈に批判してあるサイトを見つけました。
そちらの方が面白いので引用しておきます。
書いた方は専門の研究者ではないかもしれませんが、古代史について相当興味を強くお持ちの方のようです。
それによれば、どうも本書の主張は著者の独りよがりの思い込みが強く、それに沿ったものを裏付けなしに並べてあるだけということです。
この書評を見たら、もうちょっと自分の感想を書く気もなくなってしまいますが、くじけずにちょっとだけでも書いておきましょうか。
国家というものがどういうものかという定義によって、日本でも古代国家がいつ始まったかという評価は変わってくるようです。
律令体制確立をもって国家成立と考えるならば710年の平城遷都であろうという説もあるわけですが、本書著者によればそれ以前に徐々に組織体制は整えられているので、別の時点を国家成立と見ることもできるとか。
そこで、最初にも記したように著者の提唱した「前方後円墳体制成立」時をもって初期国家成立とするという、学説が出てくるようです。
どうも、上述サイトの批判を見たらもうそれ以上言うこともなくなってきます。
以上