普段は小説というものはほとんど読まないのですが、旅行の車中で読むのにはあまり硬い内容のものよりはこういったものの方が疲れないと思い、持って行きました。
剣客商売といえば鬼平犯科帳と並んで著者池波正太郎の代表作といえる小説のシリーズです。
剣客として秋山小兵衛と大治郎の父子が活躍するというもので、本編では小兵衛はすでに老境に入っているのですが、この番外編では大治郎も登場せず、小兵衛もまだ五十代でしかも時折現れるあくまでも脇役といったものです。
しかし、さすがに最後は小兵衛の剣が重要な役割を果たします。
本書の主人公はお福という越後新発田の生まれの百姓娘ですが、両親が早く亡くなってしまったために大変な苦労をしてしまいます。
しかし、中にはお福のために力を貸してくれる人も出てくるのですが、その人達が次々と何者かに切られてしまう。
その犯人が実は同一人物で、、、、といった内容ですが、あらすじは伏せておきましょう。
少々ひねった構成になっていますが、池波正太郎らしい清々しさを感じさせるような読後感を貰いました。